160327 宇治市植物公園と宇治川界隈
京都駅からそれほど時間がかからないこともあり、宇治市の植物園には
毎年、年間数度は行く。ことに蓮の花が開く頃には必ず行っている。
今年は京都の植物園でカタクリの花が見られなかったので、宇治市の植物園で
見られるのではないかと期待して行ったが無理だった。
カタクリに関しては来年に期待するしかない。
園内を一通り経巡ってみる。早咲きの桜も結構咲いている。
園内から観覧温室に入館。結局、この植物公園で3時間ほど過ごしてからバスで
宇治駅の方に戻る。
宇治橋界隈には平等院、橋寺放生院・宇治神社・宇治上神社・恵心院・
源氏物語ミュージアム・興正寺などの見どころが多い。
今回は平等院には寄らず、放生院と恵心院に立ち寄った後は塔の島に渡って、
ぼんやりした時間を過ごす。
宇治橋と言えば源頼政が反平氏の旗幟を鮮明にして宇治橋で戦ったことと、
そして佐々木高綱と梶原影季の宇治川先陣争いが思い出される。
ともに平家物語に詳しい。手に汗握るシーンである。
平等院は藤原頼道の別業。1052年から日本における末法の時代ということで、
浄土思想に基づいた様式である。末法などと言っても現在の我々には不可思議さばかりが
際立つと思うが、当時の人々を支配していた仏教思想なのである。
貴賤にかかわらず、様々な不安におびえていて、すがるべきよすがとしての浄土思想であった。
仏教が社会不安をあおりにあおったという見方もできる。
ともあれ、平等院とその優美な建築様式は現在のわれわれ共通の大きな財産である。
宇治橋については「橋姫伝説」なども生み出されているが詳述は割愛。
西行の歌などを数首を引いて、今回は終わりとします。
宇治川の早瀬おちまふれふ船のかづきにちかふこひのむらまけ
(岩波文庫山家集198P雑歌・新潮1391番・夫木抄)
五月雨に水まさるらし宇治橋やくもでにかかる波のしら糸
(岩波文庫山家集49P夏歌・新潮208番・西行上人集・山家心中集・夫木抄)
しづむなる死出の山がはみなぎりて馬筏もやかなはざるらむ
(岩波文庫山家集255P 聞書集226番)
鵜飼舟あはれとぞ見るもののふのやそ宇治川の夕闇のそら
(慈円 新古今集251番)
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