PFM(Premiata Forneria Marconi)といえば70年代から活動を開始したイタリアのテクニカルな演奏が売りのプログレ・バンド。イエスやディープ・パープルらのイラリア公演の前座を務め、ELPの目に止まり彼らのマンティコア・レーベルと契約し世界進出することに。
1975年の5枚目のアルバム、Chocolate Kingsは3枚目の英語の歌詞によるアルバムだった。
このアルバムにはベルナット・ランゼッティがボーカルに起用されジェネシスのような雰囲気を出している。またバンド結成時から独自の色合いを出したマウロ・パガーニーの弾くバイオリンもこの後彼がバンドから脱退することで聴き収めとなる。

ちなみにオイラがチョコレートって聞くと、同じ昭和でもまだ生まれていなくて実体験はないが、その昔第二次世界大戦後日本にやってきた進駐軍がチョコレートをばら撒いたなんて話を思い出す。敗戦国とすればちょっと屈辱を感じるかもしれないけれど、甘~いチョコレートんの誘惑には勝てず、ギッ・ミー・ア・チョコレートって言って子供達が兵隊たちに群がってっていたそうな。
敗戦の憂き目を見た国民は致し方ないと思いながらも記憶から消し去ろうとするが、ところ変わればまた違った反応も。
敗戦した枢軸国のメンバーのイタリアでも同じことが起こっていたそうな。
しかしこのイタリアでは一プログレ・バンドがアメリカをチョコレート・キングスと揶揄する。マンティコアと世界進出の契約を結ぶも、そんなの関係ないやと世界最大の音楽マーケットのアメリカに対してかっての王様も今や落ちぶれ醜態を晒しているて高らかに歌う…
まあ日本人は対外的に言いたいことを言わず何れ解ってくれるだろうと奥ゆかしさがありすぎかな。
オイラの数少ない経験からしても、海外に出ると主張しないとスルーされるのがオチ。
昨今の外交なんか見ていると、一番弱い対応である遺憾砲だけでは舐められちゃいますよ。

ぶくぶくになったアメリカのシンボル、マリリン・モンローをジャケに使って揶揄っているのが斬新的。
日本じゃまず出来ないね。
ちなみに、マリリンの変わり果てたイラストのイタリア盤ジャケはやっぱりまずいとなって、アメリカや日本では星条旗のパッケージの板チョコのイラストに差し替えられレコードの販売も翌年に延期されたとな。