
TVで都道府県対抗駅伝を見ました。

最大の見どころは何と言っても3区。箱根駅伝ですっかりスターになった「新・山の神」福島の柏原竜二(東洋大)と長野の村澤明伸(東海大)が激突。柏原の走りは誰にも真似できない。最初の1kmを2分36秒という信じがたいペースで猛追。アッといい間に先頭に追い付き、以降は村澤と並走。最後は力尽き、吐きそうになりながら、それでも数秒差の3位でタスキをつないだ。
●柏原と村澤
柏原の後先考えずに突っ込んでいく攻めの走りにはいつも熱くさせられる。
今日のようにクレバーな走りに徹した村澤のような選手にかわされてしまうことあるだろうが、世界のNo.1 というわけでもなければキャリア終盤のベテランというわけでもないのに守りに入っているようではいつまでたっても強くなれないに違いない。
男子マラソンの今の窮状はそのあたりにあると思う。その点女子には「攻める」選手がいる。福士と渋井だ。やっぱこの二人が力を発揮した時にはびっくりするようなことが起きる。それが面白い。
そういう意味で柏原には大いに期待してしまう。
一方村澤の走りは本当にきれいだし、体のバランスがすばらしい。しかも頭がいい。解説の宗さんも言ってたが、柏原と並んで日本の長距離界を背負って立つ(立ってもらわないと困る)選手に違いない。だからこそ、もっと攻めるレースを見たい。
この区間1位でタスキをつないだが、2位以下とのタイム差があまりなく、結局長野は最終7区のエース・佐藤悠基が15位で受けたタスキを桁違いのスピードで追い上げ5位入賞を確保したものの優勝争いには絡めなかった。
ところで、3区の区間賞はこの二人をさておいて、2位村澤に1秒差、3位柏原に2秒差をつけて岐阜の大西智也(旭化成)が獲得した。なんと17人抜き。
にもかかわらず、名前もアナウンスされなければインタビューもなく、「ちょっとどうなのさ」と憤慨しながら見てた。

もう一つの見どころは、もちろん最長13kmのエース区間・最終7区での福島の佐藤敦之(中国電力)と兵庫の竹澤健介(ヱスビー食品)の優勝争いに絡む駆け引きだった。
佐藤は必死の形相で首位・埼玉の堀口を追いかけた。ほぼ同時にタスキを受けた竹澤はその佐藤に遅れずにつくという作戦に終盤まで徹し、画面でも見ていても余裕があった。
残り1.5kmで先頭に追い付いた二人は、間もなく埼玉を予想通り置き去りにし、スピード勝負では分の悪い佐藤は、ここでイッキに竹澤をも置き去りにしようと、ロングスパートをかけるが、竹澤との距離は離れない。
最後の直線、残り300mで、予定通りスパートをかけた竹沢に佐藤はついていけず、見る見る差が広がった。最後はガッツポーズでこぶしを突き上げる歓喜の表情を見せながらゴール。兵庫が3年ぶりの優勝を飾ったのだった。
選手のみなさんお疲れさまでした。
●「広島国際平和マラソン」なんてどうですか?
ちなみにこの大会は広島市で行われている。オリンピック開催を表明した広島だが現実的には国内の選考でも相当分が悪いようだ。
でも、どうだろう。このコースを若干修正して
国際マラソン大会を開催するというのは。原爆ドームをはじめ広島市街を巡るコースは、ヒロシマから世界に平和をアピールする絶好の開会に出来るんじゃないだろうか? 世界の注目が集まるようベルリン並みの賞金を出せば、趣旨への賛同と相まって、有力ランナーが集められるんじゃないだろうか。