香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

優駿

2012-02-12 19:08:28 | 本のこと
宮本輝さんの1986年の小説『優駿』

1988年に映画も公開されました
仲代達矢、斉藤由貴、緒形直人、緒形拳
テレビで放映されたときにみたけれどもよかったな
何度もみているのだけど、いつも秘書の多田役が宅麻伸だったよなと思い
調べて、ああ間違えた 石橋凌だったと思い出す
多田役だけは、わたしの中では宅麻伸なのです

とっても久し振りの再読
@テルニストの企画のため、再読することに決めたのだけど
昨日の夜は、再読にも関わらず、読むことに集中してしまい
寝たのは朝5時・・・・バッカじゃないのと思う

静内のシベチャリ川に祈る博正の姿がこの物語の芯にあるように思う
サラブレットを育てるという、人間の勝手なのかロマンなのか運命なのか
ただそのことだけに気持ちを注ぐ渡海親子の姿に胸がうたれる
心根がきれいで、冷静でいてやさしい人たちが最後は勝つんだ
そういう気持ちで読み終える小説
若く薄幸としか思えない人生を終えた誠のことでは
まわりの人間たちの気持ちも含めて、苦しい位の辛さを感じさせられる
オラシオンという不思議な馬の、人生を狂わせられ救われる人たちの姿にも
何度も何度も涙が流れる
人が幸せだ、順調だと思うときほど、人は悪いことに気付かないのだ
何があっても、再生できる
終わりは始まり
何度読んでも、大好きな小説