香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

秋月記

2012-02-22 22:41:55 | 本のこと
葉室麟さんの『秋月記』

 筑前の小藩・秋月藩で、専横を極める家老・
 宮崎織部への不満が高まっていた。間小四郎
 は、志を同じくする仲間の藩士たちとともに
 糾弾に立ち上がり、本藩・福岡藩の援助を得
 てその排除に成功する。藩政の刷新に情熱を
 傾けようとする小四郎だったが、家老失脚の
 背後には福岡藩の策謀があり、いつしか仲間
 との絆も揺らぎ始めて、小四郎はひとり、捨
 て石となる決意を固めるが――。
 絶賛を浴びた時代小説の傑作、待望の文庫化!


人が人として生きていく素直な感情がてんこもりです
何のために生きていくのか、何を力に生きていくのか
現代社会で生きているわたしなんかは、
突き詰めて考える前に、流されたりあきらめたりしていくことを
素直に実直に受け止め立ち向かっていく様が清々する
「政事を行うとは、そういうことだ。
 捨て石になる者がおらねば何も動かぬ・・・」
 ひとの役に立っていると思いたかった。
「ひとはおのれの道を最後まで行くしかないのだ。
 たとえ一人になろうともな」
「どれだけ手が汚れても胸の内まで汚れるわけではない。
 心は内面より汚れるものです」
「山は山であることを迷わぬ。雲は雲であることを疑わぬ。
 ひとだけが、おのれであることを迷い、疑う。
 それゆえ、風景を見ると心が落ち着くのだ」

心を揺さぶる言葉にたくさんの付箋がつきました

この前、図書館で藤田嗣治画集を借りて来ました

最後の奥様、君代さんが2002年に編集に携わって作られた画集です
年代を追っての藤田嗣治さんの絵ももちろんですが
途中や最後の絵の説明や、藤田嗣治さんのことを書いた文章も
とても興味深く、素晴らしい画集だと思いました
返却までの2週間、たっぷり楽しませてもらおうと思っています