世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

熊千代どすえ

2013年11月09日 | Weblog
誰でも非日常的な世界に触れたくなることってあると思う。
日々が厭なわけじゃないが、ふと日常を脱ぎ捨てて違う世界にワープしたくなるときが…。

そんな私の「非日常」…それはコスプレである。
4年ほど前、京都に旅行に行くと、舞妓や十二単姿に変身していた。
それを年賀状に印刷し、謹賀新年の挨拶にしていた。
社長にまで…。

最近では夏休みの旅行には外国へ行くことが多く、京都からも足が遠のいているので舞妓コスプレは暫くお預けしていた。
先日、ふと「舞妓に変身したい」と思い立ち、調べてみたところ、東京でも舞妓コスプレができるお店がある事を知り、申し込んだ。

今日お世話になったのは「夢工房」さん。
舞妓体験STUDIO夢工房 東京

京都での舞妓コスプレの時はいつも「四季」さん、十二単のときは「時代や」さんにお世話になっていた。
夢工房さんは初めて。
ドキドキワクワクしながら、新橋駅に上陸。

受付で挨拶をして、胸のところで縛るビスチェタイプの下着のようなものを着用。
これが…私の胸の大きさがアレなのか、すぐにずれ落ちてしまう。

さっそく化粧開始。
スタッフの方がとても気さくで楽しかった。
顔に水化粧を施される。
暫くは目を閉じているよう指示される。
瞳を閉じて~♪(BY 平井堅)

仕上がりが楽しみ。

背中に刷毛を乗せられたときの冷っとした感覚。
パフで白粉をパタパタしてもらう時の心地よさ。
…嗚呼、忘れていた。

目を開けても良いと言われ、目を開けると…そこには非日常のもう一人の自分が鏡に映っていた。
感動!!

さて、着物選び。
今までの舞妓体験では、赤(朱色)、ピンク、エメラルドグリーンの着物着用の経験がある。
今回は…う~ん。どうしましょう。
着物の種類は思っていたより多く、相当悩んでしまった。

10年前、初めて舞妓体験をしたとき、赤を着たのだが、後になって見ると模様がなくてちょっと地味な印象を受けた。
では、赤をリベンジしようということで、やや派手な柄の赤い着物をチョイス。

かつらを着けると、店員さんに褒められた。
「似合います!!」

わ~!!
かつらの状態も髪のほつれなどなく、また簪も豪華で綺麗だった。

写真室へ。
スタジオでありとあらゆるポーズで撮影される。
毬やセンス、障子に傘…なんでも揃っている。
ワンショット撮られる度に
「可愛い」
「良いですねえ」
と賛美を受け、「今、人生で一番楽しいかも~」とヒデキカンゲキ。

おこぼの高さに驚愕。運動神経がなさすぎてバランスと取るのが難しかった。


撮影を終え、自分のスマホとデジカメで撮影。






相棒・吉熊も一緒に!
吉熊、超びっくりしていた。
今日の吉熊…紋付き袴姿。正月にしか着ない一張羅である。



スタッフさんに背中などの白粉をある程度取ってもらった。
そして用意されている化粧水と乳液を借りた。
自分が持ってきた化粧道具で化粧をし、着替えをして、普段の自分に戻った。

写真は12ショット撮ったものの中から6ショットを選ぶ。
どれもよく撮ってもらったので相当悩んでしまった。
私は追加料金を出して7ショットを選んだ。

出来上がりは来月になるらしい。楽しみである。

京都にまで行かなくてもここ東京で舞妓コスプレができるだなんて感激の嵐である。
外国人観光客の方々にも大ウケらしい。
そりゃそうだよな。日本人だって、こんなに感動するのだもの。

私の京都での舞妓コスプレの写真を会社の同僚に見せると、皆「私もやってみたい」と述べる。
そんな彼女達に、ぜひこのお店を教えて差し上げよう。

次回は芸妓さんや花魁にも挑戦したい。


ということで、来年の年賀状は久々の舞妓姿。

「熊千代どすえ。
 どうぞよろしゅう、おたのもうします」

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映画『I AM ICHIHASHI 逮捕されるまで』

2013年11月09日 | Weblog
今日初日の「I am ICHIHASHI 逮捕されるまで」を観に行った。



2ヶ月前から楽しみにしていた公開初日である。
新宿ミラノへ。(上映館、上映回数が少ない)


あらすじ
イギリス人女性を殺害し、捜査員の追跡をかわして2007年3月から2年7か月に及ぶ­逃亡生活を送った殺人犯・市橋達也の手記を基に映画化した衝撃の実録ドラマ。
死亡説や­女装潜伏説といった憶測が世間に広まる中、名前や姿を変えながら千葉から青森など日本­中を転々とした市橋の逃亡生活をたどる。
監督を、台湾で活動する日本人俳優のディーン­・フジオカが務め、自ら市橋を熱演。
市橋が3年近くも捕まらずに逃げることができた理­由や、市橋自身が明かした逃亡生活の中身が赤裸々につづられる。




市橋達也の逃亡中に懸賞金が引き上げられたとき、某掲示板では「みんなで市橋を捕まえようぜ」みたいなことで盛り上がっていた。しかし、如何せん、生活能力が低い彼なので生き延びているわけなどないという憶測もなされていた。
市橋達也が逮捕されたとき、「生きていたんだ」とまず思った。そして、どうやって潜伏生活をしたのかが気になった。
大阪駅から新幹線で移送され、東京駅でもみくちゃにされたあの逮捕された日の報道は忘れもしない。
2009年11月10日「市橋容疑者逮捕に思うこと」



あの日からちょうど4年が経過する。


その後出された彼の手記「逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録」も読んだ。
2011年1月29日「逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録 」(市橋達也)

読んだ後、「これ、映画化されるんだろうな」と思った。
それほどインパクトがある逃亡生活だった。オーハ島でのサバイバル生活とか。自分で整形手術とか。


映画では、あの手記を丹念に再現したことを窺えた。


最初の方…緊迫感・疾走感あふれる、警察を振り切るシーンからノックアウト。
絶妙なカメラワーク。


オーハ島へ渡る際、大荷物を背負い、海の中を淡々と渡る市橋達也。
時々うねりを見せる海。それでも彼はオーハ島を目指す。
生きるため…逃げるため。

また手記のとおり、個室トイレで自分で特徴的な唇をハサミで切ったというところもリアルに再現されており…鮮血が流れるシーンでは直視できなかった。剃刀で瞼を切るシーンも…。


本作品は市橋と彼にインタビューするもう一人の市橋によっての対話がなされる。
「あなたはなぜ逃げたいんですか?」
「亡くなった彼女に申し訳ないと思っていないんじゃないですか?」
といった具合に。

ラジオのニュースで自分の名前が流れる度に怯え、行く先々で名前を変える孤独な生活。

次第に精神的に混濁を来す市橋。
巧妙なカメラワークでその精神状態を上手に表現していた。
固唾を飲んでその予兆を見逃さないと釘付けになった。
結局、名古屋での整形手術の際に撮った写真で足が着き、結局彼は逮捕される。



街を歩くとき、色々な人とすれ違う。その中に、市橋みたいな逃亡者がいないとも限らない。
同時に、人が犯罪を犯すのも、ふとしたきっかけが原因で、犯罪を犯さない人と犯す人って実は紙一重なのかなとも思った。
事件を起こす前、たぶん市橋達也は普通の引きこもりだったはずだ。
人の脆弱性を改めて感じた。
また、殺されたイギリス人女性のこの世を去る際の恐怖や苦しみを考えると、「人間ってなんなんだろうな」という普遍的な疑問に行きつく。

色々と考えさせられる映画だった。

2年7か月の逃亡生活を上手にまとめていた。
短すぎも無く長すぎも無く。

監督、そして市橋を演じたディーン­・フジオカ。
物凄く上手かった。見事!秀逸!
指の動き一つ一つも心理を表現していて、思わず息を飲んでしまった。

ずっと予告を見ていたので主題歌はもはや耳にこびりついている。
ちなみにこれもディーン­・フジオカが歌っている。
「My Dimension」、私の好きな歌になった。
孤独、静かな逞しさ、地を這って生きる、そんなことを感じさせてくれる。
リズミカルで心地良い。メロディラインがクセになりそう。
DEAN FUJIOKA 「My Dimension」 Music Video Short ver.



映画『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』予告編



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