有名なシューベルトの「野ばら」
わらべは見たり
野なかの薔薇
清らに咲ける
その色 愛でつ
高校1年の音楽の授業。
この歌をドイツ語で歌うテストがあった。
音楽の先生は「オギノ先生」。50代後半のおばちゃんだった。そんな彼女が、「野ばら」をお手本で歌ってくれた。
「♪レースライ レースライ ハァ~イデェ~ンっ」
あの迫力はいまだによく覚えている。
毎年、旧古河邸園で吉熊が薔薇を覗き込む度に彼女の歌声を思い出すぐらいだ。
オギノ先生は、学期末に生徒にCDを持参させ、その鑑賞会を催してくれた。
男子がtrfの「寒い夜だから」を先生に渡した。
オギノ先生は、言った。
こう、きっぱりと言い放った。
「今日は゛トリュフ゛の゛寒い夜だから゛をかけます」
と。
trfをどう読めばトリュフになるのだろうか。
でも堂々と発言していたから、きっと何か強い確信があったのだろう。
「トリュフだって…クスクス」
みんな小さく笑い囁きあっている中、「寒い夜だから」は教室に響き渡った。
わらべは見たり
野なかの薔薇
清らに咲ける
その色 愛でつ
高校1年の音楽の授業。
この歌をドイツ語で歌うテストがあった。
音楽の先生は「オギノ先生」。50代後半のおばちゃんだった。そんな彼女が、「野ばら」をお手本で歌ってくれた。
「♪レースライ レースライ ハァ~イデェ~ンっ」
あの迫力はいまだによく覚えている。
毎年、旧古河邸園で吉熊が薔薇を覗き込む度に彼女の歌声を思い出すぐらいだ。
オギノ先生は、学期末に生徒にCDを持参させ、その鑑賞会を催してくれた。
男子がtrfの「寒い夜だから」を先生に渡した。
オギノ先生は、言った。
こう、きっぱりと言い放った。
「今日は゛トリュフ゛の゛寒い夜だから゛をかけます」
と。
trfをどう読めばトリュフになるのだろうか。
でも堂々と発言していたから、きっと何か強い確信があったのだろう。
「トリュフだって…クスクス」
みんな小さく笑い囁きあっている中、「寒い夜だから」は教室に響き渡った。