けれどもほんとうのさいわいは一体なんだろう!
「 なにがしあわせかわからないです。ほんとうに
どんなつらいことでもそれがただしいみちを
進む中でのできごとなら
峠の上りも下りも
みんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。 」
( どうして僕はこんなにかなしいのだろう。
僕はもっとこころもちをきれいに大きく
もたなければいけない。
あすこの岸のずうっと向うにまるで
けむりのような小さな青い火が見える。
あれはほんとうにしずかでつめたい。
僕はあれをよく見てこころもちをしずめるんだ。 )
<「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治)より>