なぜ入ってはいけないのだろう。
「芝生に入らないで下さい」という看板を見た途端、淋しくなってしまう。
ロンドンなどでは、徒歩15分圏内に大きな公園が幾つも幾つもあって、
大木の下・・・季節によっては、華やかな色とりどりの花が咲く空間で・・・
ビジネスマン達が、芝生に寝っころがって、ランチを食べたりしている。
とても、リラックスしていて、昼食時間を自由に過ごしているように見えた。
東京には、至る場所に公園があるわけないし、全くありえない光景である。
日本には、「・・・しないで下さい」っていうのが多いよね。
どうして?
素朴な疑問として、いつも思う。
国民性の違いなのだろうか。
考え方の違いなのだろうか。
おかあさんは、子供たちの自由を制限するし、
学校の先生は、子供たちの自由を管理するし、
それが、「しつけ」とか「社会的道理を教える」とかであれば納得できるけれど、
どう考えても周囲の目を気にしているように感じるのは、私だけ・・・?
本当に、わからない。
教科書からして違うし、教え方からして違う。
海外では「正解」「間違い」が分かれていないものも多い。
決められた規定内の中でしか、自由を手に出来ない子供たち――。
その子の“伸ばせられる可能性の芽”を摘んでいるようさえ感じる。
もちろん、電車の中で、尋常なく騒ぐ子供を見たとき、正直にいうと
いらっとするときがある。
しかし、そのお母さんの怒り方を聞いたとき、もっとイラッとする。
「ほら、だめでしょ!」
「(周りの人に)怒られるでしょ!」
「もう、いや!やめなさい~!」
子供には、もっとわかりやすく説明してあげないと、わかるはずはない。
自分の“怒り”や“いらただしさ”を子供にぶつけても、状況は変わらない。
現在の多くのお母さんたちは、子供のためを思って「叱る行為」(諭す行為)と、
反射的に沸き起こってくる自分の感情である「怒る行為」の違いを、根本的に
理解していないように感じる。
本当に、「この親にして、この子あり」だと感じることが多い。