地に落ちつつあるTV

2009年12月17日 | 社会 -

日本のテレビ業界も、地に落ちつつあるような気がする。

昨今の年末特別番組を観ていると、本当に「げんなり」してしまう。


今の番組は、何を伝えようとしているのか・・・
何が大切だと考え、何を素材として、どのような意図で構成しているのか・・・
全くみえない(理解できない)番組が増えた。

「時代がかわった」という一言ではすまされない。
「制作費が削減された」という理由では、納得できない。
最近は、放送倫理に反することも多くなったし、それが頻繁に起こっている。
まるで、かつての食料偽装事件のようだ。

人類に備わった「知恵」を使うこともなく、斬新なアイデアもなく、
ただ丁寧に作ればよいものにさえ、演出でごちゃごちゃにしてしまうのが「今」の
傾向のようである。 
(特に、民放局には、その傾向が強い!)

流行なのだろうか。出演者も内容も代わり映えはしない。 

結局は、お笑い番組や、今までは義務教育の範疇だった一般常識クイズ番組、
そして、食べ放題や美味しい料理などの食番組が、ほとんどになってしまった。
出演者の内輪受けで笑いをとる(低俗な)暴露番組も多い。

「ジャーナリスト」という自負や、「マスコミニケーション」というプライドが、
全く感じられない、安易で、唐突で、中身のない番組ばかりである。
そういうものを見せられる側のことを慮ってほしい。
時には、不快な印象を抱いたり、不愉快で、貴重な時間を無駄にしてしまう。
要するに、国民に悪影響を及ぼし、心不快な想いをさせて、その果てには・・・
国民自体を短絡的な思考におとしめ、精神的に低俗化させることに加担している。
徐々に(マインドコントロールのように)おバカな番組を観ても、何も感じない
人々が増えて、国民のほとんどが“テレビとはそういうものだ”と認識している。

ひと昔前は、骨太の番組が多かったし、観ていると感動することが多かった。
単なる情報だけではなく、自分にとって大切な何かを得られたし、
琴線に触れるモノにさえ出会えることもあった。
娯楽番組は、娯楽として徹底していたし、その中でも必ず柱が徹っていた。

「映画」と違って、テレビ番組にはプライドが欠けてきたように思う。
要は、制作の過程が、非常に安易になってしまったのだ。
そのため、単なる時間をつぶすだけのシロモノに成り下がっているものが多く、
制作者からは“メッセージ”が聞えてこない。
耳をそばだてても、聞えてこない。
無神経で、俗悪で、軽薄なコメントは、聞きたくないのに、良く聞こえてくる。


テレビ局にくだらない番組の問合せの電話をしても、担当者はいないし、
電話口にも出てこない。
視聴者センターのおねえさんが「担当者に伝えます」と、マニュアルどおりの
受け答えをするだけである。
責任は、誰がとってくれるのだろう。
どのようにすれば、この思いを伝えることができるのだろう。
どのようにすれば、テレビ局は、ちゃんと真面目に受け取ってくれるのだろう。

正直なことを言ってしまえば・・・ひどい感想にみまわれたときに感じるのは、
くだらない番組にスポンサーした企業にも、罰を与えるべきだと思うほどだ。