『冬眠まんざい』稽古。なぜ「まんざい」なのか、少しずつわかってきたような気がする。稽古は今日で終わり、一日おいて劇場に入る。……夜は地人会新社『シズウェは死んだ!?』に滑りこむ。2007年に解散した木村光一さん主宰の地人会の、制作者渡辺江美さん主導による復活である。私は地人会に十五年前『海の沸点』を書き下ろし、その後『心と意志』を作・演出させていただいた。今回の再出発は出演者の変更等でたいへんだったようだが、江美さんがこの戯曲にこだわった理由が、観てみるとよくわかる。終演後に観客に舞台上に上がってセット(美術=島次郎)を見てもいいというサービスがある。四十年前の戯曲であり、描かれているのは南アの人種差別の問題なのだが、描かれる差別によって生ずる「格差」を見ていて、現在の社会は、「格差」そのものが差別を作り、その「格差」を再生産しているのだということを思う。……巷を賑わす生活保護問題。現象としては、「格差」についての不安が人々をヒステリーに向かわせているともいえるだろう。ただ、五千万円年収ある人の親が生活保護を受けていてはおかしいというのは常識以前の問題。芸人が不安定な仕事だから不安というのはわかるが、実際に収入がなくなって困った時に保護されるのでなければおかしいのは当然のことである。それにしてもマスコミ報道の後から乗っかった自民党議員が威張っているのが嫌な感じである。これが生活保護の本質を見誤らせるキャンペーンになってほんとうに必要とする人たちに対する給付を渋る世の中になってはいけないし、年金制度がもっとしっかりしていれば生活保護制度に今ほど「グレーゾーン」が生まれないはずであることが隠蔽されている気配もある。
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