Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「紙一重」の場所で生きる

2013-03-20 | Weblog
福一原発、停電に伴って冷却システムなどが止まっていたが、すべての冷却システムがようやく復旧。しかしトラブルの原因はいまだにわかっていないし、配電盤が緊急の仮設のものでしかなかったということが問題だ。今は「仮設の仮設」だ。再発の可能性は常にある。こうした非常時に一番危険な4号機の温度上昇が一番早かったことも確認された。私たちは薄氷の上にいる。このたび、同様に冷却装置が異常をきたした1~6号機の核燃料6377本を保管している共用プールの存在が注目されたことは、人々の認識を求める教訓になった(はずだし、そうであってほしい)。こんな現実を前にしても、日本は安全だと言えるのか。原発の近くに住むことを危険だと言うことが「人々の不安感を煽ってデリカシーがない」というのか。現実を見なければ仕方がない。昨日高遠菜穗子さんがアフタートークで語っていたが、イラクでも新生児の奇形率が極めて高くなっており、それが、劣化ウラン弾の影響でないと考えることは難しいだろうということだ。もちろん性質は違う。しかし私たちの環境は思っているよりも悪いと考えられる。後になって後悔しても遅いのだ。……そう、本日は『カウラの班長会議』アフタートークは高遠菜穗子さんに登場していただいた。やはり注目度は高く超満員。高遠さんはなんと「演劇を見るのは初めて」とのことである。熱意と集中力のある語りだった。頼もしいと思うし、私たちもがんばらないといけないし、共闘していくことを考えたい。……『カウラの班長会議』、おかげさまで好評をいただいている。いつも以上の好評、なのであろう。ここまで圧倒的な評判を得ているのは『だるまさんがころんだ』以来かもしれない。確かに私たちは『だるまさんがころんだ』の後、しばらくは「実験」に向けて大きくスイッチした。しばらくはその時期だと考えたのだ。その全てが直ちに理解されたとは思ってはいない。しかしそうした「実験」への希求があってこそ、一巡りしたところでの『カウラの班長会議』の成果があるといえる。複雑で厳しいことをシンプルにやっているわけで、この困難は、昔と同じやり方ではできないことかもしれないのだ。劇団の仲間を改めて誇りに思うし、今回この公演のために集まった若い人たちにも感謝している。演劇にはまだまだ可能性がある。……この一ヶ月近くのあいだ抱えていた、現在の公演とは関係のない問題が、一応の解決を見た。たいへんな心労ではあった。私たちは紙一重のところを生きてきている。常に全てのことがうまくいくわけではないのは当然だが、とにかく胸を張って進んでいきたい。……『カウラの班長会議』、確かになかなかできないことをやっている。木曜日には平日マチネもある。公演が重なっている演劇人にも見ていただけるはずだ。比較的、席に余裕があるのは、21日、22日の夜の部だ。24日昼の部まで。とにかく、お見逃しなく。
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