Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

『カウラの班長会議』の余韻

2013-03-26 | Weblog
『カウラの班長会議』打ちあげも終えて、翌朝まだ数十人の人間の気配というか余韻を残した梅ヶ丘BOXを片付け、午後から夕方まで劇作家協会戯曲セミナー研修課講座。二作品を講評。いずれも上演が決まっている作品だが、それだけに通常の戯曲講座よりもダイナミックな指導となる。ともあれ成果を出してほしい。……高円寺に移り、「非戦を選ぶ演劇人の会」会合。……足利の倉庫に道具を収めた後にプロジェクターを返しに来た燐光群カーに遭遇。四人の劇団員は、夢の続きにいるような朦朧状態のような。……夜は『ハルメリ』を観る。感想は記さない。以下は私が選考委員を務めた七年前の第13回劇作家協会新人戯曲賞選考時の、私自身の講評。〈今年は『ハルメリ』があってよかった。全審査員満票というのは、滅多にないことだ。 『ハルメリ』は一種の「情報」についての劇だが、作者が捏造したその「情報」を劇世界として定着させるには、最低限のアイディアの新しさと、提示の仕方についての意外性を伴った仕掛けが必要だ。中には不発に終わったり手垢にまみれたりしている要素もあるが、そうでない部分がある程度中心を占め、なんとか納得できる「水準」で運んでいれば、そうした疵は比較的目立たずやり過ごせる。 自作を厳しく見るための物差しとなるその「水準」を、いかに高く見積もることができるか。『ハルメリ』は、言語劇場のレベルでは、それをクリアしているといえるが、これが実際に上演されたときにどうかというとそれはまた別問題だ。けちをつけているのではない。自作上演の機会を重ね、「舞台化されたらどうなるか」という視点を磨いた作者がこの後どのような変貌を遂げるかが、楽しみなのである〉、感想は記さないとしたが、指摘したように「これが実際に上演されたときにどうかというとそれはまた別問題だ」と言うしかない。少なくとも、ここで指摘した困難を乗り越えるためには、いかにアップトゥデート的変更に見えたとしても、安直な書き換えは為されてはならないし、こういう難物を相手にする以上、新たに戯曲を書くくらいの「戦略」が必要だ。……福島第1原発の停電で、使用済み核燃料プールの冷却などが長時間停止した事故について、仮設配電盤の真下から死骸で見つかったネズミが、配電盤の高圧部に接触してショートさせたことが原因だと、東電は断定したという。ネズミ一匹で世界が滅ぶ。リチャード・マシスンや星新一らSFショートショートの奇才らも、こんな事態が本当に起きるとは想像しなかっただろう。……最大2・43倍の「1票の格差」が是正されずに実施された昨年12月の衆院選をめぐる全国訴訟の判決で、広島高裁(筏津順子裁判長)は25日、小選挙区の区割りを「違憲」と判断し、広島1、2区の選挙を無効とした。無効の効果は「今年11月26日の経過後に発生する」とした。一票の格差訴訟で、小選挙区についての判決は8件目で、違憲判断は6件目。無効判決が出たのは全国で初めて。被告の広島県選挙管理委員会は上告するとみられ、最高裁で無効判決が確定しない限り現職は失職しない。高裁は選挙時の区割り規定そのものを違憲と判断したが、無効訴訟は選挙区ごとに起こす形式となっており、対象となった広島1、2区のみを無効とした。「提訴から100日以内に判決を出すように努める」という規定を今回は各高裁が意識し、判決は27日までに出そろうという。その後、最高裁が年内にも判断を統一する判決を言い渡し、確定する見通しらしいが、やり直しは大歓迎だ。
コメント
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