劇作家大会 2019 上田大会。
「 現代演劇と舞台美術 ~島次郎の仕事を中心に~ 」
三十年余にわたり現代演劇の潮流に重要な位置を占めた舞台美術家・島次郎。今年急逝された氏の、創作の姿とそのオリジンに迫る。
8月17日(土) 13:00-15:30 サントミューゼ・小ホール
登壇者 = 鵜山仁 松本修 堀尾幸男(舞台美術家) 今村麻子(演劇ジャーナリスト) 坂手洋二
氏と多くの仕事をしてきた演出家の鵜山仁、松本修、坂手洋二。そして舞台美術家の友人・堀尾幸男。氏の仕事を振り返る写真集の編纂に携わり、その足跡をまとめた今村麻子。
ゆかりの人々が「同時代人としての島次郎」の仕事を通して、現代演劇と舞台美術の関わりについて、語り、わかちあう。
演出家・鵜山仁さんは 『コペンハーゲン』『ニュルンベルク裁判』『ヘンリー六世』『リチャード三世』『ヘンリー四世』『ヘンリー五世』といったスケールの大きな作品で、島さんと組んでこられている。
演出家・松本修さんは「逃げ去る恋」「魚の祭」「プラトーノフ」「城」、2種類の「かもめ」、「イソップ」「会社の人事」など、島さんは仕事上の重要なパートナーだった。
堀尾幸男さんと島さんの友情と相互の信頼は、演劇界に於いてとても大切な絆だった。
私自身も、島さんと多くの仕事をご一緒してきた。「火の起源」「ララミー・プロジェクト」「ブラインド・タッチ」 「ウィンズロウ・ボーイ」 「民衆の敵」 「BUG」「 ハシムラ東郷」「アイ・アム・マイ・オウン・ワイフ」 「兵器のある風景」 「ザ・パワー・オブ・イエス」「 帰還」 「カウラの班長会議」 「白墨の輪」 「野鴨中毒」⋯⋯。
島次郎さんの仕事を語ることは、舞台美術という範疇を遥かに超えて、現代演劇について語ることになるだろう。
シンポジウム以外に、エントランスで、島さんが舞台美術を手掛けた写真を、多く展示いたします。
島 次郎 Shima Jiro
1946年、北海道生まれ。武蔵野美術大学卒。演劇やオペラ、バレエなど様々なジャンルで舞台美術を手がけた。
1998年にTHE・ガジラ『PW』『温室の前』などで紀伊國屋演劇賞個人賞、2001年に新国立劇場『マクベス』で伊藤熹朔賞、新国立劇場『浮標』『世阿彌』、ひょうご舞台芸術『ニュルンベルク裁判』で朝日舞台芸術賞。地人会『アンチゴーヌ』、新国立劇場『リチャード三世』などで読売演劇大賞・最優秀スタッフ賞を二度にわたり受賞。2003年に紫綬褒章、2016年に旭日小綬章。
2019年、3月に作品集『舞台美術 1986-2018』(著:島次郎 写真:益永葉)を朝日新聞社より刊行。(このたびのシンポジウムに出席される今村麻子さんは、同書の発刊に尽力したお一人である)
本年4月9日逝去。
添付の写真は、私と島さんが組んだ唯一のオペラ『白墨の輪』。こんにゃく座。2014年、世田谷パブリックシアター。照明・竹林功。(撮影・姫田蘭)
https://jpac2019-ueda.org