「韓劇.com」によると、韓国で10月に再演が予定されていた東野圭吾原作の演劇『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が、上演中止と発表されたようだ。
本作の翻訳家イ・ホンイさんは、かつて私が韓日合作の演出の仕事のさいに現場通訳についてくださったことのある人だ。残念だ。
また、現在「芸術の殿堂」で25日まで上演予定の日韓共同制作の人形劇『ごめんね、ありがとう! るる島の秘密』が、地方公演と年末に予定されていた再演がキャンセルされたという。
他にも国立劇団などで日本関連の演目の上演中止の話がある。中止や延期がどんどん増えている。
一方で、あいちトリエンナーレで展示中止で問題になっている「表現の不自由展・その後」についても、解決していない。
それなりに名前の知られた表現関係者でもこの件や「少女像」そのものについてデマを飛ばしている人がいて、辟易させられる。
私は「表現の不自由展・その後」展示は再開されるべきと思う。抗議して出品を取りやめた別なアーティストたちもいるのだ。なんとかならないのだろうか。
この件については、「表現の自由の問題ではなく、政治の問題だ」と、したり顔で言う人がいて、うんざりさせられる。
「政治的な表現」と「政治的でない表現」があったりは、しないのだ。この国の多くの人たちは、「中立」「両論併記」を、いまだに信じているのだろうか。
それにしても、このあいちトリエンナーレでの展示中止問題は、全世界の知るところになっている。この国を動かす人たちには、そのことへの恥ずかしさ、情けなさの感覚は、ないのだろうか。あなたが生まれるよりはるか昔の、鎖国時代に戻りたいのであろうか。
ひょっとしたら解決を望んでいない人たちがたくさんいる、ということなのだろうか。