激戦の末にロシア占領下となったマリウポリの劇場で、舞台に檻が作られ、ロシア側が「戦争犯罪者」とした者の裁判が行われるらしいというのは、今月頭から入っていたニュースだが、BBCも報じているようなので、どうやら本当なのだろう。
ウクライナ当局がソーシャルメディアに投稿した複数の画像では、マリウポリのコンサート・ホールの舞台上に金属製の檻が設置されているように見える。
私は劇場が軍に占領される設定の『上演されなかった三人姉妹』という劇を上演したことがあるが(2005年 紀伊國屋ホール)、この現実の不条理には、震撼せざるをえない。
舞台と檻は、まったく噛み合わない。相容れないものである。表現とは、自由を求める営為なのだ。いつ、どこであっても、