Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

幸せな読書 「好文 × 全作の小屋づくり」

2022-12-08 | Weblog

岡山公演を必ず観に来てくださる「吉田牧場」の吉田全作さんが、『藤原さんのドライブ』も観てくださり、いつものようにカチョカヴァッロやマジャクリといったチーズを差し入れてくださった。岡山公演が大千秋楽だったので、宿舎に無料で使える広いラウンジがあったので、バラシ後に俳優とスタッフで簡単な打ち上げの乾盃をした際に、皆でおいしくいただきました。もともと劇団忘年会(コロナ禍下で三年やれていない)でも暖めたカチョカヴァッロを薄く切ったフランスパンに載っけて食べるのが、大人気だったのですが、今年は岡山でいただきました。ありがとうございました。劇団活動がコロナ禍下で八方塞がりの時にも、吉田さんが陣中見舞のかんじで、チーズを贈ってくださった。ほんとうに感謝ばかりです。

今回、岡山で、吉田さんがチーズと一緒にくださったのが、新刊「線(せん)と管(かん)をつながない 好文×全作の小屋づくり」(PHP研究所)。吉田さんと、建築家の中村好文さんの共著です。これまでも吉田さんがいつも紹介されてきているので、中村好文さんの著書は私も拝読してきてはいたのだが、ついに、お二人の共著なのである! この本が出たことは知っていたが、今年は怒濤と混乱の年で、なかなか読む機会がなかったところだったので、とても嬉しかった。

中村さんが吉田さんの依頼に応え、力を合わせて作りあげた、「線にも管にもつながらない、エネルギー自給自足が持続可能な小屋」の記録。
出版社の紹介にあるとおり、「その全貌と詳細を一挙公開」で、「太陽光発電のシステム、雨水を濾過して飲料水にする仕組み、太陽熱温水器で雨水を温めて風呂に入る方法、ガスを使わずに調理する七厘レンジやキッチンストーヴ、食器を洗った排水を傾斜土槽とバイオ・ジオ・フィルターを通して、微生物によってキレイにしてからビオトープに流す仕組み、匂いもなく快適なコンポストトイレなどなど。現代のテクノロジーを駆使してエネルギーを作り、循環させる小屋づくりを紹介します。これなら、住み続けられます。地震や豪雨などによる災害の多い日本に暮らす多くの人のヒントになる本です」。

あっという間に、一気に読み終えてしまいました。写真や手書きの絵も豊富で、とにかく幸せな気持ちになります。

夢を叶えることの素晴らしさ。アイデアを実現していく喜び。そして、この本まるごとが、結果として「トイレのないマンション」とも例えられる原子力発電所に象徴される現在の社会・文明のあり方を批評している、という知的で豪快な説得力。

暖かく豊かな、読書体験でした。

コメント
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