Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

ラム肉をカツにするなんて

2025-01-25 | Weblog
四半世紀前、札幌に仕事で十日くらいいて、けっこう夜遅くまで働いていた。朝も早いのですぐ寝ればいいものを、元気を付けるべきだと、仲間たちと、深夜までやっている店でジンギスカンをいただいて、英気を養うというか、エネルギーを補填したものである。確かに、元気になった。という気がした。
ジンギスカンの話は拡がりすぎるのでこのくらいにしておきたいが、以来、「ラム肉はエライ」という思いを持つようになった。

で、牛丼の松屋が、トンカツ業界に乗り出し、「松のや」という店舗の名前で展開し始めたことも知っている。松屋はどうやら三鷹が根拠地らしく、最初は三鷹で入ったはずである。
で、その「松のや」が、高円寺に進出してきて、幟がはためいている。
そして、「ラムかつ」を発売している、というのである。

「ラム肉はエライ」派にひそかに参加してしまっていた私は、松のや」に入り、「ラムかつ」を注文した。
ラム肉は生後一年未満の子羊肉で、臭みがなく食べやすいと言われている。

で、ネットの記事には、
「ラムの旨味の引き立たせる「紅塩」と西洋わさびが香る「レフォールソース」付き」
と。ある。

それはそうだ。せっかくの「ラムかつ」なのだ。いつもと同じトンカツソースではないものをかけて、いただきたいと思ってもいいはずだ。

ところが、「アンデスの紅塩」は、ついていたが、私が興味津々だった、「西洋わさびが香る「レフォールソース」」が、ついていない。

宣伝文句には、
「お肉の美味しさを引き立て主役級のインパクトを残す名脇役の"レフォールソース"は、西洋わさびにマヨネーズやりんご酢を加えた爽やかな辛味が特徴。
酸味・塩気・辛味のバランスが良く、味の幅を広げ、ラムかつをさっぱりとした味わいでお召し上がりいただけます。」
と、ある。

で、お店の人に、この「レフォールソース」というモノがついていませんよ、とお伝えすると、ポカンとされた。
店中の人が、「レフォールソース」というモノが存在することじたいを、知らなかったのだ。
そんなばかな。公式サイトにあるのに。
なんだか昔のB級SF映画の、「ほぼ同じに見えるのに、いつの間にか世界が入れ代わっていた」シリーズの中にいる気分だった。

でも、私がいるのはただの現実世界である。
ないならないでいいや、と思った。カツに塩をかけても仕方がないと思ったので、ソースと辛子をかけて、いただくことにした。

と、お店の方が寄って来て、「レフォールソース」がついていたのは、一昨年の「ラムかつ」初登場時であり、今回は、好評につき期間限定特別再販売ということで、今回は「レフォールソース」はつけないという方針に変わった、しかしネットの記事は、一昨年の「レフォールソース」についても記している記事をそのまま再掲してしまった、と伝えられた。
そういうことなら仕方がない、と思うしかないのだが、いま現在でもネットでは、公式HPでも、「レフォールソース」についても記している記事が出てくる。
それを見た人たちの何割かは、私と同じように質問し、同じように返答されているのではないかと心配する。
謎である。

で、「ラムかつ」じたいは、柔らかく、おいしかった。
ただ、基本的には、カツよりは焼いて食べたい、と思う。

チェーン店が珍しいものを売っていたら注文してしまうということへの反省でもないし、何かの教訓があるわけでもない話、でした。

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天野天街をしのぶ会

2025-01-25 | Weblog
天野天街をしのぶ会
開催中です

夜9時まで
七ツ寺共同スタジオ
出入り自由な感じでカジュアルにやっています
なんとか顔を出せました

というか、天野がいないという実感が、ぜんぜんないのだ
どうしたものか
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「しむら」の八宝菜

2025-01-25 | Weblog
最近ご紹介している街中華「しむら」で、八宝菜を頼んだ。

八宝菜と「五目あんかけ」の違いがわからないという意見もあるが、八宝菜は「八つの宝物のような素材のおかずが入っている」と受けとる人も多いだろう。
しかしこの「八」というのは、「いっぱい」という意味で、素材が八つということではないのだ、と、どこかで聞いた。

私のイメージする八宝菜は、白菜がいっぱい入っている、というイメージで、「八宝」よりも「菜」という言葉が強いのではないかと思っていた。白菜メインで、その場にあるあり合わせの素材が入るのだと。
というのは、亡父が、なぜか唯一作る料理が「八宝菜」だったのだ。理由はわからない。
「八宝菜」と、京都の学生時代によく食べたらしい「油揚げを焼いて醤油を掛けたもの」だけが、自分の料理だと言っていたのだが、油揚げを焼いて醤油を掛けたものを、父が作ったことはなかったと思う。

たいていの八宝菜は、とろみをつけるものだと思っていた。そこがちょっと凝った印象になる。作っていて嬉しい、ということもあるのだろう。
片栗粉を溶いて入れ、とろみをつけるだけで、一挙に「中華」の印象になるのは、面白い。
ラーメン店で、冷めにくくするためにとろみを付ける物を出す店もあった。

「しむら」の八宝菜は、とろみは薄めで、白菜もすこしで、見事に素材のおいしさが際立つ料理だった。
というか、みごとに紹興酒に合うのだった。


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犬猫会 『トップ・ガールズ』は、26日 (日)まで

2025-01-25 | Weblog
私の演出助手を何度かしてくれている文学座の水野玲子さんが演出する、犬猫会 『トップ・ガールズ』が、入谷のSOOO dramatic! で、上演中。
26日 (日)まで。

出演は、石村みか、いまい彩乃、及川詩乃、下池沙知、seico、名越志保、山下智代。
全員が健闘している。

『トップ・ガールズ』はキャリル・チャーチルの代表作。
今回のテキストは、常田景子さんの新訳。
初演からもう40年が過ぎているという。

開演前に「写真を撮ってSNSで広めて下さい」ということなので、そういたします。写っているのは、ウェイトレス役兼任の、山下智代。

ロンドンのキャリアウーマンの役員昇進パーティーに、歴史上や文学、絵画の世界で名を残した古今東西の女性たちが続々集い、宴を始める、という設定。
「世界中を旅した女性探検家、イザベラ・バード。日本の帝の寵愛を受けたが尼僧となった、二条。ブリューゲルの絵に描かれる女傑、フリート。男装し法王の地位を得た、ヨハンナ。「カンタベリー物語」に登場する従順な妻、グリセルダ。時空を超えて集う女たちの弾丸トークに、本音が見え隠れする」という、紹介あらすじの通り。
ただ、物語はその後、キャリアウーマンの職場、家庭と、現実世界に場面を変えて展開してゆく。

「パーティー」場面、とてもがんばっている。登場人物全てのセリフが聞き取れることに安堵するのは、セリフが聞き取れない出演者が多い若者たちの芝居を、さいきん何本も見てしまったからでもあるかもしれないのだが。ただ、「パーティー」という特殊な場面なので許される、という部分がある。そこをどこまで自覚的にできているかどうかを本気で考えると、俳優にとってはハードルの高い芝居だ。それでも、がんばっている。というか、押し切ってくれる。それは、良いと思う。
不思議な上演会場だが、ステージングも果敢に挑戦している。

私なんかは戯曲じたい「パーティー」だけで芝居にしてしまった方がいいのではと思ったりするへそ曲がりなのだが、現実世界の物語になってくると、見せ方が難しい。というか、現実世界であることに説得力を与える「リアル」が必要になってくるので、演技スタイルも変わらなければならない。相手役のセリフが全部聞き取れていないといけない。リアクションのためのスイッチは全て書かれているからだ。かっちりとした常田景子訳ゆえに、きちんと演じることが要求される。「パーティー」とは違うリアリティーが求められる。手強い戯曲である。真摯な俳優どうしの関係は、本番を重ねるごとに、より深まってゆくのではないかと思う。

一年後には、水野玲子演出作品を、プロデュースします。
私の戯曲ではありません。
詳細は、まもなく公表します。

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