七夕。「今夜は七夕、短冊に願いを込めて……」というメッセージがどなたかから届いている皆さんは、幸せですぞ。それはさておき、今回『入り海のクジラ』という実質四分に満たない短篇があるのだが、これは最後に「星になろう」という台詞で終わるので、考えてみれば実に七夕向けの芝居なのであった。もっと早く宣伝しておいて、カップル割引も用意しておくべきであった、と気づいたのだが、後の祭り。……4分間は、いくら何でも短すぎる? いえ、今回の『宇宙みそ汁』『無秩序な小さな水のコメディー』二本立ては、全部で1時間40分。ほんとですよ。……七夕の願いだか祈りだかは、ある意味で相手に対する「約束」でもあると思うのだが、「約束」を大事にすべき者がそうしないという事例が多すぎるのがこの国である。羽田国土交通大臣が就任後初めて、群馬県の八ッ場ダムの予定地を視察し、計画通りに建設を進める考えを地元知事などに伝えた。「前大臣の時に(事業)継続と、すでに皆さんとお話しさせていただいていますし、私もそれを踏襲させていただく」という。八ッ場ダムをめぐっては、政権交代を果たした民主党政権が2009年に建設中止を表明したが、その後、撤回。去年12月には、前田前大臣が再開を決めたものの、建設の前提となる利根川水系の河川整備計画がまとまっていないため、本体着工のめどはまだ立っていなかった。こういうこれ見よがしな行為の目的は誰の目にも明らかだが、ともかく「やらない」と言ったことを「やる」、「やる」と言ったことを「やらない」、それが民主党とその取り巻きである。八ッ場ダムはどこからどう見ても明らかな例の一つだ。保坂展人氏と現地を歩いたのは3年前だが、そのとき、「やる」「やらない」論争以前に、この数十年の宙ぶらりん状態がどれだけ人間を蝕むかということに、胸が痛んだ。民主党とその取り巻きがこの数年間日本を潰していったことを私は忘れないだろうし、どんなに言い訳し忘れたふりをしようと、彼らの罪を糾弾しつづけるだろう(自民党の罪も忘れはしないが)。新しき人たちよ、彼らを見て絶望感のみを得てはならない。あなたはあなたなのだ。満身創痍であろうと、どんなに時間がかかろうと、原則論であり正論を、その人自身の観点で言い続けることしかないのだ。……大阪市の「職員の政治的行為の制限に関する条例案」に反対する表現者の緊急アピールに対して、橋下市長がツイッターでええかげんなことを呟いているとのことで、ツイッターをやらない私にも報告が来る。これは橋下氏が自分が知りもしないことを知ったかぶって言っているだけであって、同時にもっと知らない人達を誤った認識に導こうという詐術である。詐術だけれど「詳しくは知らない」こと自体によって責任を生じさせない仕組みを作っているわけで、なるほどこの人はこういうやり方なのだなと思う。まずは呟きでなくきちんと公式に発言するのを待つ。……写真は『入り海のクジラ』。
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