昔『恍惚の人』という小説が話題になり、売れたことがあった。
作者は有吉佐和子である。
オカブが高校に通っていたころであろうか?
作者は後に不意の最期を遂げたが、それは措いておいて、その作品のモチーフの取り上げ方に有吉の慧眼を感じざるを得ない。
これは、まさに老人性認知症とその家族の悲劇であり、40年以上たった今でも、現代的なテーマである。
人間の命の尊厳とは言うが、一方で「尊厳死」という言葉がある。
命永らえるだけ生きて惚けていくか、自分の意思の明確なうちにきっぱりと死すか、どちらが「厳か」かは分からない。
現代医学の進歩は死病の無い人なら、究極まで生き永らえさせる。
その環境・状況の中で人間の尊厳とか、幸福を考えるのは容易なことではない。
まさに生老病死の苦界である。
雪囲い晴れの湯の里神の里 素閑
雪囲いなして猟銃磨きけり 素閑
雪囲い胸病む人の居る家や 素閑
古竹を集めて雪のかこひなす 素閑
雪囲い三日外出ず丸まりて 素閑
雪囲い終えたる村の静けさや 素閑
鳥も去る雪囲いの居独り建つ 素閑
雪囲い都のうわさ聞きもせず 素閑
雪囲いむらをさ酒を好みけり 素閑
腫物のひどくなりけり雪囲い 素閑
雪囲い北海越えて吹く風や 素閑
北国や枯れ田の向こふに雪囲い 素閑
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