昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

麦踏

2019-02-25 15:47:42 | 俳句

どうも気分がすぐれない。
とはいえ気分がすぐれないのは毎度のことだ。
このような不安定な境遇にいては、気分がすぐれるほうがどうかしている。
まあ当然の報いと言えば報いなので、甘んじてこの不快感は受け入れよう。
しかし他の世の人は普段どんな気分でいるのかよく分からない。
常に天に上ったかのような気持ちでいられる人もいるのだろうか?
オカブが思うに、誰しも生きることの、世を渡ることの重荷を背負って、その辛さに耐えているのではないか?
だからその苦悩と苦痛は誰もが等しく、多少の程度の差があるくらいのものだと推測している。
気晴らしに何か打ち込めるものを持っている人はいい。
しかし大半の人は苦渋に満ちた表情で背を丸めて生きているのではないか?

麦踏める畑の端場五輪塔   素閑

山はまだ固く閉ざされ麦踏めり   素閑

枝のみがただ空に延び麦踏めり   素閑

ただ和せり疎水の音や麦踏めり   素閑

恐竜の骨も出でぬや麦踏めり   素閑

麦踏にかえりし父や土間に座し   素閑

魚取りのゆるき素振りや麦踏めり   素閑

荒れ果てし野に雲流れ麦踏めり   素閑

野の果ては津軽の山や麦踏めり   素閑

後れ髪ただ風なびき麦を踏む   素閑

麦踏を終えてのぐさの鍋なれば   素閑


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