昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

茶の花

2018-11-28 17:37:51 | 俳句

オカブの幼いころは暖房に炭の掘り炬燵が家にあった。
暖房と言えば、それだけだった。
やがて石油ストーブを入れた。
炬燵も、電気炬燵になった。
今では、暖房はエアコンである。
しかし、この今様仕掛けの暖房は全くぬくもりが感じられない。
ぬくもりというのは、ただ室温の高低を言うのではなく、精神的な温暖さをも含めるのである。
それを思うと、昔の炭火の掘り炬燵のほうが、よほど「温かった」と思う。

茶の花に頭を垂れて一礼す   素閑

寒空に毛帽子かぶりて茶の花や   素閑

老松に茶の花妍を競いけり   素閑

京表茶の花寺のけわいなり  素閑

楼蘭といふなる都茶の花や   素閑

野辺の路そぞろ歩きの茶の花や   素閑

茶の花の蘭奢待よりえもかほり   素閑

茶の花を庭の隅こに見つけたり   素閑

茶の花や今日で仕舞いぬ古すだれ   素閑

茶の花にみずうみ沖へ行ける船   素閑

茶の花の露地のゆかしき加減かな   素閑

なにゆえに茶の花下を向きたるや   素閑


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