JR田端駅の近くに、座席数20ほどの小さな映画館がある。
シネマ・チュプキ・タバタ。
ブロ友さんのおススメは、ここで上映されている「フジコ・ヘミングの時間」だという。
昨年6月に公開された作品だからDVD化されているが、やはり劇場にはかなわない。ぜひ観たいと思った。
映画は口コミに限る。今月初めにも、知人たちが絶賛していた「ボヘミアン・ラプソディ」を楽しんできたところだ。(ボヘミアン・ラプソディの記事はこちらから)
ミニシアターだから、鑑賞前に予約を入れる。ネットでも電話でもオーケーだ。
この日の上映時間は17時から18時55分まで。仕事を早めに切り上げて、10分前には着くように職場を出発した。
「いらっしゃいませ。先ほどはお電話ありがとうございました」
スタッフの対応もよい。お手洗いを使おうとしたら、「こちらの方が広いですよ」と教えてくれるし、コーヒーをお願いしたら「席までお持ちします」である。何だか、友達の家で映画上映会をするような錯覚をしてしまった。
落ち着く席に座り、開演を待った。
フジコ・ヘミングについて、何の予習もしてこなかった。ピアニストということは知っているが、容姿も性格も生い立ちも何もわからない。でも、この映画は、予備知識ゼロでも問題ない。
初対面のフジコさん。思ったよりも年配で、波乱に満ちた人生を送ってきたらしい。でも、ネコや素敵なインテリアに囲まれ、幸せそうだ。ピアノの音色も輝いていて、拍手喝采を浴びる姿がまぶしかった。
実は、私も小学生までピアノを習っていた。毎週木曜日がピアノの日だったような気がする。練習熱心な子どもではなかったので、水曜日にちょこっと鍵盤を叩き、お稽古に臨む程度だった。当然、上達するはずもなく、バイエルの下巻レベルで終了。月謝を払ってくれた母には、とても言えない。
しかし、フジコさんは毎日4時間練習しているのだとか。超うまいのに、それでも連日4時間? 練習に対する心構えが根本から違うことに驚かされる。漫画を読みたくても、宿題を終わらせたくても、せめて1時間は練習すべきだったと反省した。
スクリーンから、フジコさんのピアノが鳴り響く。トルコ行進曲、ラ・カンパネラ、月の光、ノクターンなどなど、コンサートを見ているようだ。ドレスもきれい。何よりも、フジコさんの堂々とした立ち居振る舞いに魅了された。
ピアノの音色は、すり減った心を元通りにしてくれる。ストレスを和らげ、心のメンテナンスにもってこいだ。本当にありがたくて、もっと聴きたくなった。スクリーンが暗くなるたびに、「まさか、もう終わり?」とヒヤリとしたが、満足するまで待ってくれた。とても美しい映画だった。
ところで、練馬区立美術館では、ときどき、ユニークなピアノを使ったコンサートを開いている。1877年製スタインウェイ社のスクエアピアノだ。
初めて、このピアノの音色を聞いたとき、現代のものよりも、やわらかくて優しい音という印象を受けた。
フジコさんが弾いてくれたら、どんな音がするのだろう。
勝手に、共演してくれることを夢見ている。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
シネマ・チュプキ・タバタ。
ブロ友さんのおススメは、ここで上映されている「フジコ・ヘミングの時間」だという。
昨年6月に公開された作品だからDVD化されているが、やはり劇場にはかなわない。ぜひ観たいと思った。
映画は口コミに限る。今月初めにも、知人たちが絶賛していた「ボヘミアン・ラプソディ」を楽しんできたところだ。(ボヘミアン・ラプソディの記事はこちらから)
ミニシアターだから、鑑賞前に予約を入れる。ネットでも電話でもオーケーだ。
この日の上映時間は17時から18時55分まで。仕事を早めに切り上げて、10分前には着くように職場を出発した。
「いらっしゃいませ。先ほどはお電話ありがとうございました」
スタッフの対応もよい。お手洗いを使おうとしたら、「こちらの方が広いですよ」と教えてくれるし、コーヒーをお願いしたら「席までお持ちします」である。何だか、友達の家で映画上映会をするような錯覚をしてしまった。
落ち着く席に座り、開演を待った。
フジコ・ヘミングについて、何の予習もしてこなかった。ピアニストということは知っているが、容姿も性格も生い立ちも何もわからない。でも、この映画は、予備知識ゼロでも問題ない。
初対面のフジコさん。思ったよりも年配で、波乱に満ちた人生を送ってきたらしい。でも、ネコや素敵なインテリアに囲まれ、幸せそうだ。ピアノの音色も輝いていて、拍手喝采を浴びる姿がまぶしかった。
実は、私も小学生までピアノを習っていた。毎週木曜日がピアノの日だったような気がする。練習熱心な子どもではなかったので、水曜日にちょこっと鍵盤を叩き、お稽古に臨む程度だった。当然、上達するはずもなく、バイエルの下巻レベルで終了。月謝を払ってくれた母には、とても言えない。
しかし、フジコさんは毎日4時間練習しているのだとか。超うまいのに、それでも連日4時間? 練習に対する心構えが根本から違うことに驚かされる。漫画を読みたくても、宿題を終わらせたくても、せめて1時間は練習すべきだったと反省した。
スクリーンから、フジコさんのピアノが鳴り響く。トルコ行進曲、ラ・カンパネラ、月の光、ノクターンなどなど、コンサートを見ているようだ。ドレスもきれい。何よりも、フジコさんの堂々とした立ち居振る舞いに魅了された。
ピアノの音色は、すり減った心を元通りにしてくれる。ストレスを和らげ、心のメンテナンスにもってこいだ。本当にありがたくて、もっと聴きたくなった。スクリーンが暗くなるたびに、「まさか、もう終わり?」とヒヤリとしたが、満足するまで待ってくれた。とても美しい映画だった。
ところで、練馬区立美術館では、ときどき、ユニークなピアノを使ったコンサートを開いている。1877年製スタインウェイ社のスクエアピアノだ。
初めて、このピアノの音色を聞いたとき、現代のものよりも、やわらかくて優しい音という印象を受けた。
フジコさんが弾いてくれたら、どんな音がするのだろう。
勝手に、共演してくれることを夢見ている。
↑
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
スクリーンで観たのは大成功だったと思います。ドキュメンタリー映画ですからテレビ画面で見るとそれなりにしか感じなかったかもしれませんね
すいません風邪をひいたようで喉が痛くて眠れず、こんな時間に目が覚めてコメントしています。先ほど甘酒を作ってメイプルシロップを入れてみたら大失敗でした。これは真似しない方が...
ロックよりもピアノが好きな自分に気づきました。
今年は時間を見つけて、ピアノコンサートにも行ってみたいです。
なにしろ、生演奏が一番ですもの。
これもZUYAさんが、素敵な映画を勧めてくださったおかげですね。
ありがとうございました。
しかし、風邪はいけません。
ツラいでしょう。
甘酒プラスメイプルシロップで、さらに悪化しないことをお祈りします。
お大事になさってください。
ピアノが弾けたらどんなに素晴らしいかと想像しています。
私の耳は芸術仕様になっていないので、ピアニストの比較はできません。
フジコさんの音色は素直に美しいわぁと思いました。
それでいいんですよね。
自分が弾くと、間違いばかりでイライラします。
ピアニストはエライなぁ。
年度末に突入、遊ぶのにも忙しくて、落ち着きのない毎日を楽しんでいます。
フジコ・ヘミングは人生そのものが音になったような演奏をなさると感じます。
もうずいぶん前ですが、テレビで一部を聴いて惚れ込んで、ラ・カンパネラを中心にしたアルバムを購入したことがあります。
切なくなるんです、聴いていると。
真剣に生きなきゃいけないなぁと、なぜか思ってしまう。
砂希さんのお話から、今も毎日4時間の練習に生きているというエピソードに裏付けされてた印象だったのだと納得しました。
ところで、この映画の存在を私は知りませんでした。
大きな映画館もいいけれど、こういう映画館も魅力的ですね。
仕事も遊びも充実しているんですね。
そうでなくっちゃ(笑)
真剣に生きるには、ときどき刺激が必要です。
フジコさんの映画は安らぎを与えてくれました。
休憩所みたいだから、立ち止まって考えたいときにピッタリです。
今、ハマっているのが『死ぬこと以外かすり傷』という本。
のほほんと生きている場合じゃないと、ハッパをかけられますよ。
さて、明日からまた頑張ろうっと。
それで営業していけるのが、都会の強みでしょうか。
ロックとクラシックのピアノ、私なら?
聴き慣れたロックはすぐノレるけれど、
ピアノも静かに体に沁み入りそうです。
ピアノと言えば、アニメの『ピアノの森』オンエアを見ています。
音楽家絡むと、何でも見たいし好きです♪
特に書かなかったのですが、この映画館は日本初のバリアフリーシアターだそうです。
階段はないし、座席にイヤホンもついています。
他にもあるみたいですが、使わないとわかりませんね。
音響もバッチリ。
調子に乗って、今年はピアノコンサートにも行っちゃおうかな。
フジコさんのチケットは高いですね。
誰でもいいから、生演奏が聴きたいわぁ。