「連環」 松本清張 講談社文庫
九州落ちして印刷屋に勤めた笹井は、計画遂行のため主人の妻滋子を籠絡し、さらに二号の藤子を誘惑。
陰謀に成功した彼は、滋子から大金を得、東京でエロ出版に手を出す。
資金源の滋子が無一文になると非道にも第二の殺人を計画する。
虚構に生きる男が、追跡者の執念にあえなく自滅してゆく過程を描く傑作。
<文庫本裏カバーより>
今の状況からのし上がる為に、殺人教唆して上手く行き、次は本当に殺人を犯す。
そんな男の物語。
緻密な計画をしていると思いきや、わりと行き当たりばったり。
結局、上手く行かないだろう事は明らかだった。
笹井と言う人物に感情移入出来る訳もなく、ただ愚行を見守るような。
そして、最後はあっけなく裏切られて終わりを迎える。
考えると、このどこが面白いのだと思うのだが、読んでいると先が気になってサクサク読み進めていた。
松本清張にはこんな悪人が主人公の物語が他にもある。
読んではいなく映画でみたのだが。
それから比べると笹井は小悪党と言った感じ。
そんな笹井に殺されてしまった人が可哀そうだ。
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