しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「もう過去はいらない」  ダニエル・フリードマン 

2017年01月08日 | 読書
「もう過去はいらない」  ダニエル・フリードマン   創元推理文庫    
DON’T EVER LOOK BACK       野口百合子・訳

88歳のメンフィス署の元殺人課刑事バック・シャッツ。
歩行器を手放せない日常にいらだちを募らせる彼のもとを、アウシュビッツの生き残りにして銀行強盗イライジャが訪ねてくる。
何者かに命を狙われていて、助けてほしいという。
彼とは、現役時代に浅からぬ因縁があった―
犯罪計画へ誘われ、強烈に断ったことがあるのだ。
イライジャは確実になにかをたくらんでいる。それはなんだ。
88歳の伝説の名刑事vs.78歳の史上最強の大泥棒。
          <文庫本1ページ目より>

『もう年はとれない』の続編。








ただ老人というだけではなく、撃たれた後のリハビリ中。
ただ自由に動けないと言うだけで、頭の中は若い頃を変わらない。
それはイライジャも同じ。
かなりハードボイルドな展開。
過去と現代の物語が交互に語られるが、どちらもハードボイルド。
そして、それぞれ謎が提示される。
そんな謎解きも楽しめる。
それを推理で解決するバック・シャッツは、頭脳派でもある。
その頭脳は自分のユダヤ人としての立場についても、考えを巡らせていなければならない。
何となく、イライジャの方が正論に思えることもある。
イライジャも策略家だから、頭が良いのだ。
人種差別は今もアメリカの大問題。
この物語の根底にあるのは、差別という事。
表向きは、バック性格が乱暴なので雑な感じを受けるが、結構辛い物語。


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