しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「そしてミランダを殺す」 ピーター・スワンソン 

2018年11月02日 | 読書
「そしてミランダを殺す」 ピーター・スワンソン   創元推理文庫 
 The Kind Worth Killing         務台夏子・訳

テッド・セヴァーソン、リリー・キントナー、ミランダ・セヴァーソン、ヘンリー・キンボールの4人の語りで構成される物語。
テッドは出張の帰りの空港で、リリーと知り合う。
話をする内、テッドは妻のミランダが浮気をしている事を1週間前に知ってしまった話をする。
そして、ミランダを殺したいと言う。
リリーは直ぐにそれを肯定する。
世の中には死んだ方がいい人間がいて、殺人は悪い事ではない。捕まらなければいいのだと。
そして自分も手伝うと告げる。
リリーと話す内に、テッドはミランダとその浮気相手のブラッド・タゲットを殺したいと本気に思うようになる。
リリーは14歳の夏に、飼い猫を怖がらせる野良猫を殺す。
そして自分に言い寄っていた、母親の友人、チェットを殺していた。
ミランダを殺す日が近づくが、計画は思わぬ邪魔が入り、別の方向へと向かって行く。

ヘンリー・キンボールは刑事で、殺人事件が起こってから登場する。








リリーとミランダは共に冷酷な策略家の悪女。
テッドとブラッドは、悪女に利用され翻弄される役回り。
キンボール刑事は、ちょっと変わった性格だが、刑事らしい冷静さで外見には惑わされずに事件を追求していくタイプ。
誰かに感情移入出来る物語ではない。
リリーとミランダの直接対決もあり、騙し騙されの展開。
色々捻りが効いていて面白いけど、危うい。
そんなに上手く行くのだろうかと思う所も。
男性陣が哀れだが、それを呼び寄せているのだから仕方がない点もあるか。
サイコパスな性格はどこから来るのだろう。
いつもは平常だが、いざとなると本領を発揮するタイプもあるのだ。
ラストはあのまま終わるかと思ったが。
“正義は勝つ”のは、自分としては好き。

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