しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「狼の領域」 C.J.ボックス 

2018年11月01日 | 読書
「狼の領域」 C.J.ボックス   講談社文庫    
 NOWHERE TO RUN    野口百合子・訳

不可解な出来事が続くシエラマドレ山脈で、猟区管理官ジョー・ピケットは不審な双子の兄弟に出会う。
二人に襲われて重傷を負ったジョーを救った、キャビンに住む謎の女。
彼らの正体は―?
一連の事件の“真実”が、心を激しく揺さぶる。
正義は権力に勝てるのか!?
     <文庫本裏カバーより>







今回、ジョーと対峙する相手はかなり強力。
ただ、粗野で乱暴かと思ったらそうではない相手。
知恵も知識も、社会観念も持ち合わせている。
何故、社会から隠れるように住んでいるのかは少しずつ分かって来る。
それは衝撃な事実。
そんなことが通ってしまう社会の歪み。

ただ、あくまでも社会的に正しくあろうとするジョー。
ネイトは人間として正しくあろうとしているようだ。
今までは、ジョーの正義感を応援して来たが、今回は揺らぐ。
そこまで正しい必要があるのだろうか、と。
そして、そこまで自分の命を危険にして臨む必要があるのだろうか、と。
プライドと言うか、変な意地を張っているように感じてしまった。
前作もジョーとネイトには同じような葛藤があったが、今回の事で2人の道は分かれ始める。

権力と金を持った者の傲慢さ。
なぜそこまで許されてしまうのだろう。
金は手に入れれば際限なく欲しくなる物なのだろうか。
権力と金と言うと政治家を想像してしまう、そんな世の中。
そこまで執着しないで暮らせる自分は幸せだ。
モヤモヤした気持ちが残る事が多いシリーズだが、今回もそれが顕著。

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