しましましっぽ

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「コマドリの賭け」 ジョー・ネスボ 

2018年08月26日 | 読書
「コマドリの賭け」 ジョー・ネスボ  集英社文庫  上・下巻
 THE REDBREAST        井野上悦子・訳

アメリカ大統領オスロ訪問の警護で起きたアクシデントを隠蔽したい上層部の意向で、ハリーは公安警察局に異動となる。
警部に昇進したものの、各地からの報告書に目を通すだけの閑職だ。
しかし、ある報告から、ノルウェーに高性能狙撃ライフルが密輸された形跡を見て取る。
何かが起ころうとしている―。
       <文庫本上巻裏カバーより>

高性能ライフル密輸入の謎を追うハリーは、銃を手に入れた人物が、第二次世界大戦中に東部戦線で戦った男ではないかと見抜く。
また、銃密輸組織の頂点に“プリンス”と名乗る男がいることを知る。
一方、ハリーの同僚刑事のエッレンは、ひょんなことから“プリンス”の正体に気付いてしまい…。
第二次大戦から戦後のノルウェー史の闇に潜んでいた亡霊と対峙するハリー。
       <文庫本下巻裏カバーより>

「ハリー・ホーレ」シリーズ第3弾。







結構盛沢山な内容。
現在進行形の事件と第2次世界大戦中の出来事。
どちらも丁寧に書かれているので、それぞれに気持ちを持っていける。
ハリー・ホーレ自身についても結構書かれていて、どんな人物か分かる。
順番に刊行されていないので、これは3作目。
まだハリーを知る段階にあるのかも知れない。
今まで、ノルウェーが第2次世界大戦の時、どんな立場だったか知らなかった。
タイトルの「コマドリの賭け」とは、コマドリの命を懸けた賭け。
この戦争の時のノルウェーの国民もそんな所があったのかも知れない。
しかし、ドイツに降伏して、ドイツ側で戦って、後で反逆罪になるなんて。
国としても方針はなかったのだろうか。
これで、もしドイツが勝っていたら、反対の立場になったのだろうか。
戦争で人生を狂わされた人たちの物語でもある。
そして、この中では解決していない事件がある。
表向きは解決しているけれど、ハリーは解決していないと断定している。
まさか、こんな事になるとは思わなかった事件。
ハリーにきちんと決着をつけて欲しい。
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