しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「煽動者」  ジェフリー・ディーヴァー

2017年02月04日 | 読書
「煽動者」  ジェフリー・ディーヴァー   文藝春秋   
 SOLITUDE CREEK   池田真紀子・訳

“人間嘘発見器”キャサリン・ダンス捜査官が「無実だ」と太鼓判を押した男が、実は麻薬組織の殺し屋だとする情報が入った。
殺し屋を取り逃がしたとして、ダンスは麻薬組織合同捜査班から外され、民間のトラブルを担当する民事部に異動させられた。
そこは拳銃の携帯も許されない窓際―彼女に割り当てられたのは満員のコンサート会場で観客がパニックを起こして将棋倒しとなり、多数の死傷者が出た一件だった。
だが現場には不可解なことが多すぎた。
観客は会場の外で焚かれた炎の煙で火事だと誤解し、殺到した非常口はトラックに塞がれていたのだ。
この惨事は仕組まれたものではないか?人々を煽動し、死へと走らせる何者かがいる。
独自の捜査を開始したダンスだったが、犯人はまたもや死の煽動工作を実行した!
卑劣きわまりない愉快犯。そして麻薬組織の殺し屋をめぐる捜査。
尋問の天才キャサリン・ダンスを二つの難題が追いつめる。二度読み必至、読者に背負い投げを食わせる好評シリーズ第四弾!
     <単行本カバー見返しより>









パニックを起こすことの簡単さと恐ろしさ。
まずそんな事を思った。
そしてパニックがどう起こって広がって行きどうなるか。
細かく描かれているので、その場にいるような息苦しさと恐怖を感じた。
ただ、落ち着く様に声を掛ける人が居れば、多少は変わる。
どちらに転ぶか分からない危うい状態。
個人から、ただの塊になる事もある。
自分は助かりたいと思う。そんな時は他人の事は目に入らないのだろう。
ある程度それは仕方のない事なのだと思う。
命を守るのは人間の本能なのだから。
人を押しのけていると言う意識もないのではないか。

テーマパークでのパニックはまたちょっと違ったパターン。
今の時代だからこそ。
噂と正確な情報の違いは、分かりようがなくあっと言う間に広がって行く。
それにしても、そんなパニックの様子が商売になるなんて。
物語の中だけにしてほしい。 

この物語もディーヴァ―らしく、テンポも良く騙されながら楽しめた。
ただ、キネシクスとしてのキャサリン・ダンスの活躍があまりなかった気がする。
小さい手掛かりから次の犯罪場所を割り出すのは、リンカーン・ライムのようだ。
キネシクスで内部の裏切り者を見つけ出す事は出来ないのか。
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