しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「陪審員に死を」 キャロル・オコンネル 

2016年07月07日 | 読書
「陪審員に死を」   キャロル・オコンネル   創元推理文庫    
 The Jury Must Die        務台夏子・訳

ニューヨーク市警ソーホー署のキャシー・マロリー巡査部長。
マロリーが見張っているのは、《ネッド事件現場清掃車》の清掃員で、亀背の女性ジョアンナ・アポロ。
《ネッド事件現場清掃車》は、マロリーの相棒ライカー巡査部長の弟の会社だった。
今は銃弾を受け、傷病休暇中のライカーが経営していた。
ライカーはすでに警察を辞めたつもりになっていた。
その頃、世間では不当な無罪判決を出した陪審員が殺される事件が起きていた。
それをラジオのパーソナリティー、イアン・ザカリ―が連続ドラマのように煽っていた。
12人のうち、すでに9人が殺されていた。
連続殺人鬼を“死神”と呼び、ザカリーは姿を隠している陪審員の情報をリスナーに求めていた。
ジョアンナ・アポロも、その陪審員の1人だった。

マロリー・シリーズ第7弾。









何が起こっているのか、何がこの物語のメインなのか。
それがなかなか分からなく、読み進めるのも時間が掛かる。
タイトルにもなっているのに陪審員殺しは、後3人から始まる。
事件としては「陪審員連続殺人」は大きな事件だと思うが、その事件が詳しく紹介される事もない。
だから、なぜ陪審員が殺されなければならないのかも、はっきりしない。
そして、この事件に対して警察がどう動いているのかも。
マロリーも事件の捜査をしているのではなく、ライカーの事だけに動いていたような。
物語はライカーを中心に、個人的な気持ちや心理がメイン。
マロリーはあまり活躍の場もなく、これだけ読んだ人にはどんな人物に映るのだろう。
そして終り頃になって、その裁判の話が出て来て、何だか凄い話だったのだと分かる。
とんでもない話なのに、警察は何をしていたのだろう。
今回の主役はライカー。
ファーストネームの話は、良い話。
それがラストに繋げる為だったとしても。


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