しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「魔女は夜ささやく」 ロバート・R・マキャモン

2009年10月07日 | 読書
「魔女は夜ささやく」 ロバート・R・マキャモン   上/下巻 文藝春秋
 SPEAKS THE NIGHTBIRD        二宮磬・訳

1699年、カロライナ。
チャールズ・タウンの判事、アイザック・ウッドワードは書記の青年、マシュー・コーベットと共に、ファウント・ロイヤルへ向かっていた。
ファウント・ロイヤルは新しく開拓された土地だったが、そこで悪魔が人を殺し、1人の魔女の裁判行なおうとしていた。
ファウント・ロイヤルの創設者、ロバート・ビドウェルは、住民が怖がって町を去るのを止める為、直ぐにでも魔女レイチェル・ハワースを火あぶりにしたがる。
しかし、ウッドワースは法の手順を守ることを大事にする。
マシューは好奇心旺盛の青年で、ウッドワースとは違った目で物事を観る。
そして、レイチェルが魔女であることに疑問を持つ。



まだ開拓途中のアメリカ大陸で、欧州からやって来た人々や、インディアンも。
町と町の間は未開の地。
そんな雄大な景色も見えてくるが、人との繋がりは雑多なだけ、希薄な感じ。
油断なく暮している様子が伝わって来る。
魔女裁判は人の証言だけで成り立ってしまうもの。
そんな人間の集まりでは、結構簡単に起きてしまう事件なのだろう。
誰の言葉を信じるのか、群集心理の恐ろしさでもある。
今も魔女とは言わないけれど、今も似たような事はありそうだ。
誰かを罪に落とすこと。

この物語も、陰謀渦巻くと言った感じで、色々起こる。
色々あるのだが、少々テンポがゆっくりで、まどろっこしい感じがする。
何故だろう。
登場人物のテンポがゆっくりなのだろうか。
その時代的なものなもかも知れない。


ロバート・R・マキャモンは『遥か南へ』が初めて読んだと思っていた。
本書の最後に作品案内が掲載されていて、そうではなかった。
『奴らは渇いている』を文庫本で発売された時に読んでいた。
これがロバート・R・マキャモンとは知らなかった。
かなり前に読んだのだが、かなり印象に残る怖くて面白い物語。
これは、吸血鬼ものが好きなので読んだが、マキャモンのジャンルがホラーだったので、その後は敬遠したらしい。



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