しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「二度死んだ少女」 ウィリアム・K.クルーガー

2009年12月03日 | 読書
「二度死んだ少女」 ウィリアム・K.クルーガー  講談社文庫
  BLOOD HOLLOW       野口百合子・訳

大晦日のパーティーを抜け出した17歳の少女シャーロット・ケイン。
彼女を探すコーク・オコナーはホワイトアウトに捕らわれた時、不思議な影に助けられ窮地を脱する。
それはシャーロットの魂だったのだろかとコークは思う。
彼女は春に遺体で発見される。
そして、死んだ時に1人ではなかった証拠が見つかる。
容疑はシャーロットのボーイフレンドだったオブジワ族の少年、ソレム・ウィンター・ムーンに掛かる。
ソレムはその事を知って逃げ出す。
コークはソレムの無実を信じシャーロットの死の原因を探り始める。
コークはソレムを探し出すが、ソレムはキリストに出会ったと話す。

コーク・オコナーシリーズ、第4弾。



元保安官のコークは事件があると首を突っ込んでいく。
それなりの理由はあるが、鬱陶しく思う人もいるだろう。
何となく微妙な立場のコークなので、捜査の方も少々まどろっこしい感じがする。

前作が家族の再生の物語。
今回は教会に行かなくなったコークの、宗教の再生の物語。
それとは別にシャーロットの謎には他の物語がある。
その物語がいくつかの事件と複雑に絡み合い、事実を知る過程が興味深い。
悲しい人間ドラマがあった。
謎が解かれて行く面白さはあった。

ある出来事をどう見るか、その人物をどう見るか。
自分が抱く感情によっても左右されし、何を信じるかでも全く違うものになる。
今回はその恐ろしさを充分に感じさせてくれるものだった。
噂だけで1人の人間を社会から抹殺することは可能なのだ。


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