しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「愛おしい骨」  キャロル・オコンネル 

2013年03月01日 | 読書
「愛おしい骨」  キャロル・オコンネル     創元推理文庫
  Bone by Bone        務台夏子・訳

カリフォルニアの北西の町、コヴェントリー。
オーレン・ホッブッズは20年ぶりに我が家に帰って来る。
20年前、オーレンが17歳の時、15歳の弟ジョシュアが森で行方不明になる。
大々的な捜索にも係らず、ジョシュアは見つからず死んだものと思われた。
保安官のケイブル・バビットは容疑をオーレンに掛ける。
判事の父親ヘンリーは、オーレンを町から出すことを選ぶ。
20年ぶりの帰郷は、幼い頃から死んだ母に変わり自分を育ててくれた家政婦のハンナ・ライスからの手紙があったから。
20年前から時が止まったように保たれたと家。
当時飼っていた犬のホレイショーは剥製になっていた。
しかも、ジョシュアの骨が少しずつホッブズ家に戻っていた。
何者かがポーチに置いて行くのだ。








小さな静かな町に暮らす、個性的な人たち。
それぞれにドラマがあり、それが謎めいて書かれ興味を煽る。
少年の死の真相という他にも、何があるのだろうと。
良い人たちの集まりではなく、保安官から何か企んでいるようで尚更だ。
過去に、現在に、事件が進行中。
すべてを見透かしたような、ハンナの存在が際立つ。
主人公は、オーレンではなくハンナかも。
しかし、ジョシュアの事件は、真相が分かった後で振り返ると、腑に落ちないこともいくつかある。
もっと何かあったのではないかと思っていたら、以外と単純というかあまり深くない。
どうしてこの人はこんなことをしたのだろう、とか。
思考回路がよく分からない人も。
愛情が変な形で表される事により、歪みが大きくなる。
その為に複雑になってしまった感じ。
何より、殺人を犯した人間が心配していないことが不思議。
もう過去のことだから、事実が暴かれることはないと思っているのか。
自分がしなかったことが起こっているのに、何故不安にならないのだ。

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