「ボーン・コレクター」 ジェフリー・ディヴァー

リンカーン・ライムは４年前ニューヨーク市警の科学捜査部に属し、現場鑑識をしていて事故に合い、脊椎損傷を負い四肢麻痺となる。
動かせるのは首から上と左手の薬指のみ。
そのライムに捜査に協力して欲しいと元同僚のロン・セリットリー刑事と、若いジェリー・バンクス刑事が訪ねてくる。
それは前日の夜にあった男女の誘拐事件で、次の朝、男性が生き埋めになり死亡しているのが発見されたが、その指にもう一人女性の指輪がはめられていた。
ライムは女性のいる場所の手掛かりを現場に残されたものから割り出す。
その場所からまた次の誘拐監禁場所を示す物が残される。
ライムと未詳８２３号と名付けた犯人の知恵比べが始まる。

『安楽椅子探偵』ライム、その手足となるのはニューヨーク市警。
ロン・セリットリー刑事、ジェリー・バンクス刑事、突然現場鑑識をさせられることになった警邏課のアメリア・サックス。
証拠鑑定の専門家、メル・クーパー。ライムの介護士トム。


面白かった。
登場人物も個性的で魅力的。
それぞれの生きてきた背景も伺い知れる。
それぞれの関係やその時の感情も丁寧に書かれている。
結構盛りだくさんな感じはあるが、それが犯人と時間との勝負に水を差すこともない。
とても早い、いいテンポで進んで行く。
そして、ラストもあっと言わせてもらえる。
「あっ」だけではなく、「えっ」も「うわー」もあるかなり壮絶なラスト。
伏線がこんなところにあったのかと後で戻って読み直しする。
捜査もＣＳＩの様に緻密で納得出来る。

「ボーン・コレクター」それは犯人が骨に執着しているから。
しかしそれは古いニューヨークで起きた犯罪、『古きニューヨークの犯罪』の中の１９世紀の殺人鬼ジェームズ・シュナイダーの人格がボーンコレクターだったから。