しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「緑は危険」 クリスチアナ・ブランド

2009年03月12日 | 読書
「緑は危険」 クリスチアナ・ブランド   ハヤカワ・ミステリ文庫
 GREEN FOR DANGER   中村保男・訳

英国ケント州のへロンズ・パーク陸軍病院には、第二次世界大戦の戦火を浴びた負傷者が次々と運び込まれてくる。
大腿部骨折の郵便配達夫ヒギンズもその一人だった。
3人の練達の医師ももとで、ヒギンズの手術はすぐにも終わるかに思えた。
が、患者は喘ぎだし、しだいに呼吸が速くなった。ヒギンズは死んだ。殺されていたのだ!
かくも奇妙な場所で、なぜ一介の郵便配達夫が死を迎えねばならなかったのか?
    <文庫本裏カバー粗筋より>

捜査にあたるのはコックリル警部。



読み始めは物語がどんな風になるのか、何に気を付ければいいのかペースが掴めずにいた。
じっくり確認するように読まないと、内容が把握出来なかったからかも知れない。
なので、読むのに少々時間が掛かったが面白かった。
殺人の容疑者が7人、その7人が同じ場所に閉じ込められる場面がある。
その時の様子が今までのものと違った。
誰かが殺人者となればお互い疑心暗鬼になりそうだ。
殺されたのがはっきり悪人と分かればまた違うのかも知れないが。
この殺人は動機も分からず、殺人者が悪人かも知れないのに、容疑者たちが仲間意識でまとまるのが何となく不思議だったが、それも分かる雰囲気があった。
読んでいて、それが動機なのだと思わせる記述で分かったつもりでいるとフェイクだったりする。
トリックも分かってしまえば、なんだそんな事だったのだと思えるもの。
しかしそれがなかなか気が付かない。
思い込みはいけない。
コックリル警部も印象的な人物だ。

書き出しが、郵便配達夫のヒギンズが容疑者になった7名の手紙をへロンズ・パーク陸軍病院へ配達するところから。
なんとも皮肉な始まりだったのだ。

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