しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「わが心臓の痛み」  マイクル・コナリー 

2017年08月19日 | 読書
「わが心臓の痛み」  マイクル・コナリー   扶桑社    
 BLOOD WORK      古沢嘉通・訳

FBI捜査官のテリー・マッケイレブは心筋症の為心臓移植を受け、早期引退する。
父親の残したボート〈ザ・フォローイング・シー〉の整備をしながらゆっくりと過ごしていた。
そこにグルシエラ・リヴァーズと名乗る女性が訪ねて来る。
妹のグロリア・トーレスがテリーのドナーだと言う。
グロリアは仕事帰りに、コンビニで息子へお菓子を買う為に立ち寄り強盗に遭遇して撃たれる。
犯人はまだ捕まっておらず、グルシエラは警察の捜査を信用せず、マッケイレブに犯人を見つけて欲しいと頼む。
担当医のボニー・フォックスは、身体の負担になるから無理だと止める。
しかし、マッケイレブは事件を調べ始める。
担当した刑事を訪ね、何とか防犯カメラの映像を見せてもらう。
そして、ある事に気が付く。








事件を解決していくだけの物語でない。
テリーの気持ちも丁寧に深く書かれているので、人間ドラマのようにそちらも読みごたえがある。
これはハリー・ボッシュにも共通していている事。
仕事について、自分が生きている事について深く考えている。
テリーの場合、他の人の命を貰っていることになるので余計強いようだ。
その心情はその人でなければ分からないけれど。
そういう思いを知らせてもらえる。

ただの強盗だと思われていた事件が、小さな発見から姿を変えて行く過程は面白い。
犯人についてはもう一捻りあり。
そして、最後の対決も。
最後の最後まで目が離せない展開が続いて一気読み。

ただ、「天使と罪の街」を読んでいるので、テリー・マッケイレブのその後の事を先に知っている。
だから、読みすすめながらも悲しい落ち着かない気持ちになる。

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