しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「異人館」 レジナンド・ヒル

2010年11月27日 | 読書
「異人館」 レジナンド・ヒル     ハヤカワ・ミステリ
  THE STRANGER HOUSE        松下祥子・訳

イングランド北西部の小村イルスウェイト。
何百年も続くこの村を偶然二人の男女が訪れた。
女は数学者のサム。この村の出身らしい祖母の生い立ちを調べにやって来た。
男は歴史学者のミゲル。約四百年前の迫害されたカソリック教徒の調査に訪れたのだ。
村の過去を掘り返そうとするよそ者に村人たちは口を閉ざす。
だが、二人の宿泊する“異人館”の地下室から古い頭蓋骨が見つかり、やがて各々の家族が関わった驚くべき事件が明らかに…巧まざる因縁が時空を超えて複雑に絡み合い織りなす物語。
       <裏カバーより>

主人公はオーストラリア出身のサム(サマンサ)・フラッドとミグ(ミゲル)・マデロ。
ミグは司祭になるのあきらめて神学校を退学した人物。
イングランド、カンブリア州が舞台。



読み進めるのに、少々時間が掛かる。
展開も割りとゆっくり。
サムの思考もいまひとつしっくり来ないので、なかなか物語にのめり込めない。
段々、加速的に面白くなっていくが。
現実にサムの周りで起こっている事件よりも、かつて英国から児童移民があった事実の方に関心がいく。
だから、サムの祖母の物語が1番知りたいことになる。
ミグが調べる、シメオン神父の話はちょっと脇にある感じ。
しかし、それが最後には結びつく形になるのだが。
長い時間を経て、巡りあう関係者という図式は、結構好き。
ああ、そうだったんだと感慨深くなる。

もう少し、児童移民について知りたかった。
どういう状況の子が、船に乗せられたのだろう。
その先はどうだったのだろう。

宗教も深く関係しているのだが、どうもいまひとつ覚え切れない。
その時、その時は分かった気がするのだが。
英国国教会、カソリック、プロテスタント。司祭と牧師は違うけど、どっちがどっち、とか。

児童移民の話は知らなかった。
始まりはきっと、本当に子どものことを思って始まったのだろう。
しかし、それを悪用する人が現われる。
今も海外との養子縁組では、トラブルがあったりするようだ。
結構難しい問題。

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