しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「行きずりの街」 志水辰夫 

2009年08月28日 | 読書
「行きずりの街」 志水辰夫    新潮文庫

12年前、敬愛女学園の教師波多野は女生徒、雅子と恋愛して卒業後に結婚する。
しかしそれがスキャンダルとして取り上げられ、退職を余儀なくされる。
波多野は雅子とも離婚して郷里で塾講師をしていたが、教え子ゆかりが行方不明になり、探すために東京に来る。
ゆかりは何か事件に巻き込まれて、姿を隠しているようだった。
そして、ゆかりが付き合っていた男、角川が敬愛女学園の経理部長をしていたことが分かる。
そして、自分が追放された裏に隠された新たな事実を知る。



ハードボイルドで、結構血生臭い物語。
波多野がアクションで活躍するのだが、今まで暴力とは無縁の人物なので、ちょっと意外。
教え子のゆかりを探しに来てそこまでのめり込むのも、何となく根拠が薄い感じがした。
そう、波多野の人物像と行動がしっくり来ないので、何となく落ち着かない。
そして、ただの人探しが段々大きな事件へと移って行くのだが。
一般人なら、危険な雰囲気を感じたら、取り合えず警察に相談に行きそう。
と言うか、殺人事件が分かった時点で、そうした方がいいだろう。
少々現実離れした展開のような気がする。

波多野がよく分からない。
相手の服の値段を直ぐに考えたり、なんだか変な所で細かい。
別れた奥さんにも未練たっぷりで、それなら何故もっと早く東京に訪ねて来なかったのか、不思議な気がする。
遠くからでも姿を見に来そうな人間だけど。
大恋愛だったのはよく分かるし。

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