しましましっぽ

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「砂男」 ラーシュ・ケプレル 

2021年11月19日 | 読書
「砂男」 ラーシュ・ケプレル  扶桑社ミステリー   上・下巻
 SANDMANNEN               瑞木さやこ/鍋倉僚介・訳

ある激しい雪の夜、一人の男がストックホルム郊外の鉄道線路沿いで保護された。
それは、ベストセラー作家レイダルの13年前に行方不明になった息子ミカエルだった。
彼は、自分と妹フェリシアを誘拐した人物を「砂男」と呼んだ―。
当時、国家警察のヨーナ警部は捜査にあたったが、それがきっかけで彼の人生は一変していた。
相棒サムエルとユレックという男を逮捕。
判決後、男は不吉な言葉を吐き、閉鎖病棟に収容される。
そこへ妹の監禁場所を知るため、公安警察のサーガが潜入捜査を開始する!
    <文庫本上巻裏カバーより>

最凶のシリアルキラー・ユレックが収容されている閉鎖病棟に潜入したサーガは、小型マイクを仕掛け、ユレックの発言を音声分析チームに送る。
彼の興味をひくことに成功したサーガは、「レミンスク」という言葉を引き出す。
ヨーナは彼のルーツがそこにあると直感し、モスクワに飛び、その父親がスウェーデンに亡命したロシアの技術者だったことを突き止める。
移民労働者用の砂利採掘場でフェリシアを救出したヨーナたちは血と復讐の環を知る――怒濤のクライマックス!
    <文庫本下巻裏カバーより>

「ヨーナ・リンナ警部」シリーズ第4弾






前作の最後で明らかになったヨーナの家族の事。
別れる原因となった事件の事とその犯人、ユレック・ヴァルテルのその後の物語。
なぜこの事件を起こしたのかも明らかになる。
ユレックの考えた犯罪は、かなり調査と計画と資金が必要な気がする。
それがこの生い立ちのユレックに出来たのかが少々疑問。
ユレックに共犯者がいる事をヨーナは確信していた。
追う者と逃げる者。
どこかで、それを逆転出来なかったのか。
ヨーナはひたすら受け身になっていた気がする。
そして、家族を守る為に非道なことまでしたのに、また新たな家族を作ろうとしたことにも疑問。
それがまた悲劇となる。
しかし、ユレックは閉鎖空間にいるのに、そこまで出来るのかとやはり思う。
あまりにもスーパーマン過ぎる。
もう1人の主役、サーガ・パウエルもスーパーウーマンだけれど。
サーガも生い立ちも分かる物語。
ユレックとサーガの心理戦も緊迫感がある。
このシリーズはやはり面白い。


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