しましましっぽ

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「つけ狙う者」 ラーシュ・ケプレル 

2021年11月20日 | 読書
「つけ狙う者」 ラーシュ・ケプレル   扶桑社ミステリー  上・下巻
 STALKER              染田屋茂/下倉亮一・訳

国家警察の警部ヨーナ・リンナが姿を消してから8カ月――
彼の後任となったのは、 臨月間近のマルゴット・シルヴェルマン。
いま彼女が担当しているのは、独身女性の 連続惨殺事件だ。
どの被害者も残酷なまでに顔面を傷つけられていたのみならず、犯人は、犯行の直前に被害者の姿が映った映像を警察に送りつけていた。
目撃者もなく、 被害者どうしの接点や共通点もないなか、警察は過去の犯罪歴から強迫的な執着を持 つ性犯罪者の洗い出しを進めるが、容疑者らしき人物は浮かんでいなかった……。
          <文庫本上巻裏カバーより>

マルゴットからの依頼を受け、事件の第一発見者に催眠聴取を行った精神科医のエリック・バルクは、遺体が奇妙な姿勢を取らされていたことを知る。
エリックの脳裏に 浮かんだのは、共通点のある9年前の事件だった。
容疑者の牧師ロッキー・クルケル ンドは、エリックの精神鑑定により医療刑務所の精神病棟に送致されたが、本人はアリバイを主張していた。
もしあの事件に真犯人がいて、今も凶行を繰り返していたと したら……
         <文庫本下巻裏カバーより>

「ヨーナ・リンナ警部」シリーズ第5弾。





今回はストーカー連続殺人事件。
ヨーナはもう警察官ではなく立場で事件に参加。
担当のマルゴット・シルヴェルマン警部補がヨーナに協力的だったから関われた。
もう1人の主役は、第1作での主役と言えるエリック・マリア・バルク医師。
この人物もかなりクセがある。
思わぬ出来事に右往左往する姿には、応援したくなるが、もう少ししっかりした人物だと思っていた。
ヨーナのアドバイスがなければ、きっと死んでいた。
エリックとヨーナの信頼関係がこんなにしっかり出来ていたのには驚いた。
さらりと書かれていたが、失踪時期に手助けをしてもらったからだろう。
しかし、今回は派手な物語で、映像向きな感じがした。
かなり考えられているが、疑問に思うことも幾つか。
犯人はなぜストーカーして殺す人の映像を警察に送りつけたのだろう。
警察を介入させたのはどんな意味があったのだろう。
ラストもこれでもかと蘇るシーンは、少々興ざめ。
それでも、なんでもありの様な、良く練られた展開はやはり面白い。
この後、ヨーナはどうなるのだろうか。


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