しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「告白」 湊かなえ 

2011年02月10日 | 読書
「告白」 湊かなえ   双葉社

中学校の終業式の日。
1年生のクラスの、最後のホームルームで、担任の女性教師が今月いっぱいで退職することを告げる。
女性教師のひとり娘、4歳になる愛美はこの学校で事故死していた。
しかし、それは事故ではなく、このクラスの2人の生徒に殺されたと言う。
犯人をAとBと呼び、女性教師は事件の話をしていく。

物語はその後、そのクラスの委員、Bの姉、B、A、女性教師のモノローグで続いていく。



話題になっていた通りに、面白かった。
しかし、ラストまで同じ調子。
後には何も残らない。
感動するようなことはなく、マイナス面ばかり。
単純に、物語として面白かったと言うには、暗過ぎるかも。
登場人物も、わりと平坦で個性がない感じ。
問題提起はあるのだが。
誰が正しく、どう解決したら良いか、そんな答えは見つけられない。
登場人物みんなが、自分の殻に閉じこもった狭い世界で生きている。
自分だけの考えに固執しているから、周りが見えないし受け入れられない。
そんな息苦しさを覚える。
中学生も、1年とは言え、かなり子ども。
ゲームのような感覚で動いているから、昔では信じられないような事件が起こる。
親も自分のことしか考えられない“子ども”だから、育てられた子どもはもっと。
悪循環。
この中で、森口先生の言っていた、マスコミが事件を煽り、格好よく見せるのは間違いというのはもっともだと思う。
まるでヒーローのような扱い。
匿名なら、もっと貶めるものでもいいのにと。
社会不安を表した物語。
戒めになるのだろうか。



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1 コメント

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 (井手らっきょ)
2011-02-10 23:53:17
私ははっきり言って駿足です
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