しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「スノーマン」  ジョー・ネスボ 

2016年05月25日 | 読書
「スノーマン」  ジョー・ネスボ   集英社文庫   上・下巻
 THE SNOWMAN      戸田裕之・訳

オスロにその年の初雪が降った日、一人の女性が姿を消した。
彼女のスカーフを首に巻いた雪だるまが残されていた。
捜査に着手したハリー・ホーレ警部は、この10年間で、女性が失踪したまま未解決の事案が、明らかに多すぎることに気づく。
そして、ハリーに届いた謎めいた手紙には〈雪だるま(スノーマン)〉という署名があった…。
       <文庫本上巻裏カバーより>

〈雪だるま〉事件は連続殺人の様相を呈していた。
また、10年前に起きた警官失踪が、事件に関係していることも明らかとなる。
捜査班の前には、次々と容疑者が浮かぶが、真犯人はあざ笑うかのように先回りし、やがて、その魔手は、ハリーの身辺にも迫る…。
アルコール依存症と闘いながら捜査に打ち込む、陰影に富む主人公と、癖のある同僚警官たち。
 <文庫本下巻裏カバーより>








スノーマン、雪だるま。
可愛いイメージのはずの雪だるまが不気味な存在に。
誰かが作らなければ存在しないはずなのに、知らない内にそこにある。
誰もいない筈の雪山に出現する。
そして、人間をスノーマンに見立てる。
全体に得体の知れない恐ろしさを感じる物語。
警察の、なんとか犯人を捕まえたいという思いは犯人を作り出しそうな勢いにもなる。
警察内部で起こる事も、どこも同じなのだ。
色々な面で苦労しながら、刑事も捜査している。
犯人らしき人は、早めに目星は付く。
しかし、その理由は全く分からなかった。
犯人には自分なりの論理があり、それを実行していた。
それはスノーマンになるのに、なるほどと思える理由だったけれど。
心の傷をずっと抱えて生きて来た人物。独断過ぎるけど。

刑事のハリー・ホーレを意識して犯人が仕掛けているのだが。
これはシリーズ7作目。
自分は始めて読んだのだが、全部が日本で発売されていない。
シリーズ物はそれまでの事を知らずに読むと、取り残されている感覚。
人物についても人間関係についても。
その部分は、のめり込めずに損した感じ。
今回のスノーマンも、前の事件が何か関係しているのかとも思ったり。
ハリー・ホーレはヒーローなのか、アンチヒーローなのか。
アルコール依存症の刑事は危うい気がする。
いまひとつ掴めない人物。
あの、黴退治の男はなんだったのか。
その通りの人物だったのか、なんだか不思議。
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