しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「悪魔の右手」  ポール・ホフマン

2014年09月27日 | 読書
「悪魔の右手」  ポール・ホフマン   講談社    
 THE LAST FOUR THINGS       金原瑞人/井上里・訳

ボスコと共にサンクチュアリに戻ったケイル。
ボスコは、ケイルを「神の怒り」と呼び、‟神の意図を行うもの“として選ばれた者だと言う。
残虐に戦い、神の玉座に着ける者だと。
ボスコは教皇の座を狙いながら、その布石となる戦いにケイルを送りだす。
メンフィスからケイルが連れ出される時、ヘンリ、クライスト、イドリスピューカは後を追う。
クライストは途中で2人から離れ、その後出会ったクレフト族のディジーと夫婦になり、クレフト族の仲間となる。
クレフト族は、盗賊を生業とする部族だったが、クライストは馴染んでいく。
ヘンリは無事ケイルと再会して、親友をして行動を共にして行く。
ケイルは2つの大きな戦いを乗り切るが、ボスコから離れることを考え続ける。









「神の左手」の続編。
3部作の真ん中。
真ん中だと思えるストーリー。
ケイル、ヘンリ、クライストとそれぞれが活躍をはじめ、登場人物も多くなり世界が広がる。
その分、ストーリーの進展が遅くなった感じ。
次の続く話題や問題がたくさん。
メシア・ボスコの求めるものは何なのだろう。
もっと影の存在で、ケイルを使って社会の粛清をするのかと思っていた。
教皇になる為とは思っていなかった。
その為に取った方法も、かなり強引で血生臭い。
ボスコが物語の中で、大きな位置を占める。

ヘンリとクライストが自分の気持ちに正直に行動して、大人になっているのに反して、ケイルは混沌の中。
ボスコとの関係もあるが、周りにいる人達との係わりに翻弄されている。
ケイルはどう生きたいのだろう。
アルベルに対しての感情も、自分では制御出来ない。
全ての者に背を向けているが、ヘンリに対する友情だけはその反動のように強まる。
ケイルはこの先、どうなって行くのだろう。

戦いのシーンが多い。
地形や陣形を細かく説明してくれているのだが、今一つよく分かり辛い。
図で示して欲しかった。
戦闘シーンは1部に続き、肉弾戦だけに悲惨だ。
しかしメシアという神に近い存在の集団が、1番殺伐とした存在と言うのは皮肉だ。
十字軍などもそうだから、だろうか。

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