しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「刑事ファビアン・リスク 九つ目の墓」  ステファン・アーンヘム  

2019年03月03日 | 読書
「刑事ファビアン・リスク 九つ目の墓」  ステファン・アーンヘム  ハーパーBOOKS  
  DEN NIONDE GRAVEM        堤朝子・訳

1999年、イスラエルから宛名だけ書かれた手紙が風に乗って舞い上がる。
奇跡が起き、届くはずのなかった手紙は1年4カ月経って、スウェーデンに住むアイシャ・シャヒーンに届けられる。

2009年、スウェーデンの法務大臣のグリモスが議事堂から行方不明になる。
まだ事件かどうか分からず、極秘に調査するように、国家刑事警察のファビアン・リスクに司令が出る。
やがてグリモスは死体で発見される。
その頃デンマークのコペンハーゲンでは自宅で主婦が惨殺される事件が起きていた。
女性刑事ドゥニャ・ホウゴーが担当する。
やがて2人は過去に類似の連続殺人があったことを知る。
スウェーデンの殺人鬼オシアン・クレンプは服役中。
デンマークの殺人鬼ベニ・ヴィロムンスは収容された病院を退院してスウェーデンで暮らしていた。










シリーズの始め『顔のない男』よりも前の物語。
途中で気が付いた。
それは今回の事件の内容には関係がないので大丈夫だが。
ファビアンの家庭を考えるとそういう流れだったのかと。
家庭で苦労する姿がかなり印象に残る。
夫婦それぞれで仕事が手放せない時間が多ければ、子どもはその他の人に見てもらうしかないのだろう。
2人だけで何でもやろうとしたら破綻するのも時間の問題だろう、なんて思えた。

事件はなかなか先が見えなく、どうなるか気になる。
どこかで、ファビアンとドゥニャが出会って2人で話し合う場面があるかと思ったら。
結構複雑な事件だと思うが、それぞれの事件は最後までそれぞれが解決した感じ。
復讐劇は、する方の行動に納得が出来ればつい感情移入してしまうが、今回は微妙な所もある。
確かに、違法な方法でそれを求めるのは間違っているのだろうが。
どんな状態でそれが手に入るかは、考え付かない人もいるだろう。
結局はお金があれば何でも手に入るという事かも知れないが。
どこかで無理をしている事はあるのだから、そんな時はとどうしてそうなるのかをちゃんと考えなくてはならないのだろう。
知らないから許されるものではない、と。
不思議に思ったのは、復讐者がその準備をするには、かなりの資金が必要だったと思うが。
10年くらいで用意出来るものだったのだろうか。

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