「三鬼 三島屋変調百物語 四之続」 宮部みゆき 日本経済新聞出版社
江戸神田三島町にある袋物屋、三島屋。
主人伊兵衛の姪おちかが黒白の間で聴く不思議話の第四弾。
「迷いの旅籠」
小森村の小作人の13歳の娘おつぎが話す幽霊を見た話。
その村では、立春の前日に田圃の神様〈あかり様〉を迎える為の行灯祭を行う。
その年は、訳あって祭が禁止され、代わりにある家を行灯に見立てる事にする。
その家に死んでしまった人がやって来ると言う。
「食客ひだる神」
三島屋が花見の時に用意する弁当は〈だるま屋〉の弁当。
ただ、この〈だるま屋〉は評判は良いのに、店は増やさないし、夏場は休んでしまうと言う。
おちかは何か面白い話がきけそうだと、自ら〈だるま屋〉の主を黒白の間に招く。
主の43歳になる房五郎は、奉公をしていた二十歳の頃に出会った、ひだる神について語り話始める。
ひだる神とは、餓鬼とも言い、山道や野道で行き倒れて死んだ者の霊のこと。
ひだる神に憑かれた時は、何か食べれば良いと言う。
「三鬼」
50半ばの侍が語り手。
10年ほど栗山藩の江戸家老を務めていた村井清左衛門。
若い時に藩内で私闘で相手を斬った処分として、領内北部の洞ヶ森村の山奉行として送られた時の話。
前任の山奉行は、1人は行方不明になり、もう一人は正気を失ない「鬼がいる」と言って勝手に戻って来たと言う。
3年の年季を終えれば、戻って来られると言う。
貧しい村で、なんとか勤めていた清左偉門だったが、ある時村に問題が起きる。
そして鬼と出会う事になる。
「おくらさま」
いきなり黒白の間に現れた語り手は、かなりの年配者だったが、来ている着物は振袖で島田髷を結っていた。
それは14歳の少女の時に成長するのを自ら止めたお梅。
お梅は香具屋の美仙屋の3人娘の末娘。
それは姉のお藤が17歳、お菊が15歳の時の出来事の話。
美仙屋には奥座敷に、美仙屋だけの神様がいて商いや家人が幸せに暮らせるように守護していた。
「おくらさま」と呼ばれる神様の常香盤のお香を変えるのが三姉妹の役目だった。
その年、火事があり、周りは焼けたが美仙屋だけは無事だった。
それはおくらさまが座敷を出て守ってくれたから。
しかし、その代わりに誰かがおくらさまにならなければならないと言う。
選ばれたのは、お菊だった。
江戸は神田、筋違御門先の一角にある袋物屋。
主人夫婦の姪のおちかが聞く、百物語の第4弾。 これで幾つになったのだろう。
毎回不思議な話は趣向が凝らされていて、どれも面白い。
今回も話にくる人達はバラエティに富んでいる。
おちかがその人たちとの対応する姿勢がとても好ましく、人との付き合い方の参考になる。
きちんと相手のことを思いやって、不快を与えることがないからだろう。
年上の人とも、年下の子供とも上手に話が出来る。
「食客ひだる神」はユーモラスで楽しい。
聞いたことのない神様だった。
今の時代、旅人が行き倒れる事はないだろうけれど、貧困が問題になっている。
今でも「ひだる神」は居るのだろうか。
他は人間の色々な感情が引き起こして生じる不思議な霊や怪物が登場する。
怖い怪物も、その根底には悲しさがある。
周りの人達の生活にも触れられ、登場人物も多くなって来た。
前作と間が開くと、この人は誰だった、どんな事件だったと忘れているのが情けない。
それでも、何とか思い出したり分からなくても大丈夫だったり。
江戸神田三島町にある袋物屋、三島屋。
主人伊兵衛の姪おちかが黒白の間で聴く不思議話の第四弾。
「迷いの旅籠」
小森村の小作人の13歳の娘おつぎが話す幽霊を見た話。
その村では、立春の前日に田圃の神様〈あかり様〉を迎える為の行灯祭を行う。
その年は、訳あって祭が禁止され、代わりにある家を行灯に見立てる事にする。
その家に死んでしまった人がやって来ると言う。
「食客ひだる神」
三島屋が花見の時に用意する弁当は〈だるま屋〉の弁当。
ただ、この〈だるま屋〉は評判は良いのに、店は増やさないし、夏場は休んでしまうと言う。
おちかは何か面白い話がきけそうだと、自ら〈だるま屋〉の主を黒白の間に招く。
主の43歳になる房五郎は、奉公をしていた二十歳の頃に出会った、ひだる神について語り話始める。
ひだる神とは、餓鬼とも言い、山道や野道で行き倒れて死んだ者の霊のこと。
ひだる神に憑かれた時は、何か食べれば良いと言う。
「三鬼」
50半ばの侍が語り手。
10年ほど栗山藩の江戸家老を務めていた村井清左衛門。
若い時に藩内で私闘で相手を斬った処分として、領内北部の洞ヶ森村の山奉行として送られた時の話。
前任の山奉行は、1人は行方不明になり、もう一人は正気を失ない「鬼がいる」と言って勝手に戻って来たと言う。
3年の年季を終えれば、戻って来られると言う。
貧しい村で、なんとか勤めていた清左偉門だったが、ある時村に問題が起きる。
そして鬼と出会う事になる。
「おくらさま」
いきなり黒白の間に現れた語り手は、かなりの年配者だったが、来ている着物は振袖で島田髷を結っていた。
それは14歳の少女の時に成長するのを自ら止めたお梅。
お梅は香具屋の美仙屋の3人娘の末娘。
それは姉のお藤が17歳、お菊が15歳の時の出来事の話。
美仙屋には奥座敷に、美仙屋だけの神様がいて商いや家人が幸せに暮らせるように守護していた。
「おくらさま」と呼ばれる神様の常香盤のお香を変えるのが三姉妹の役目だった。
その年、火事があり、周りは焼けたが美仙屋だけは無事だった。
それはおくらさまが座敷を出て守ってくれたから。
しかし、その代わりに誰かがおくらさまにならなければならないと言う。
選ばれたのは、お菊だった。
江戸は神田、筋違御門先の一角にある袋物屋。
主人夫婦の姪のおちかが聞く、百物語の第4弾。 これで幾つになったのだろう。
毎回不思議な話は趣向が凝らされていて、どれも面白い。
今回も話にくる人達はバラエティに富んでいる。
おちかがその人たちとの対応する姿勢がとても好ましく、人との付き合い方の参考になる。
きちんと相手のことを思いやって、不快を与えることがないからだろう。
年上の人とも、年下の子供とも上手に話が出来る。
「食客ひだる神」はユーモラスで楽しい。
聞いたことのない神様だった。
今の時代、旅人が行き倒れる事はないだろうけれど、貧困が問題になっている。
今でも「ひだる神」は居るのだろうか。
他は人間の色々な感情が引き起こして生じる不思議な霊や怪物が登場する。
怖い怪物も、その根底には悲しさがある。
周りの人達の生活にも触れられ、登場人物も多くなって来た。
前作と間が開くと、この人は誰だった、どんな事件だったと忘れているのが情けない。
それでも、何とか思い出したり分からなくても大丈夫だったり。
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