しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ゲド戦記Ⅰ 影との戦い」 アーシュラ・K・ル=グウィン

2006年03月29日 | 読書
アースシーの世界は海に浮かぶたくさんの島から出来ている。
これは、アースシーでハイタカと呼ばれ、老いを待たずに『竜王』と『大賢人』の名誉をかち得た魔法使いの物語。ハイタカの本当の名前がゲド。
ゲドは小さく貧しい村に生まれたが、小さい時から魔法の力を強く持っている事が分かる。村の魔法使い・オジオンはゲドをローク島の魔法が学べる学院に送る。
誰よりも早く学んで行ったゲドだが、ヒスイとは相性があわずにいた。
そして、ヒスイとの対立から、高慢と憎しみの気持ちで、自分の力を超える魔法を使い、死人の霊と、死の世界の精霊・影を呼び出してしまう。
影はゲドを狙い、取って変わろうとしていた。影に追われ、逃げていたゲドは追い詰められ、影に向かって行く。


一口で言うと、魔法使いになれる素質を持った少年が、自らの過ちを清算して、成長していく物語、かな。
しかし、昔読んだ時は影の存在がよく分からなかった気がするが、今回は、影とは自分自身の邪悪な部分だったのだと、分かった。それが、霊と一緒になり存在してしまったのだろうと。2つになっても所詮は1つのものだから、1つになろうとする。
どちらが支配するかは、その時の「気」の強さなのかも知れない。

しかし、結構地味な暗い物語だと思う。ル=グウィンはSFでも、「静かな暗い世界」が多い気がするが、児童(と言っても、本には小6からと書いてあるが)でも、変わらないんだ。
でも、竜やこの世界にはいない動物やまやかしの魔法など、ファンタジー色が強いから、映像にしたら見せ場があるかな。
アニメになった映像を想像しながら読んだが、想像できる物語だと思った。
風や空気感を上手に描くジブリだから、いいかも知れない。

魔法学校が出てくるが、ホグワーツとは時代も違うから、大違いの学校。
ゲドの入学は13だから、ハリーよりは早い。
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