しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「虐待 コクウィットラム連邦警察署ファイル」   サンドラ・ラタン 

2012年01月17日 | 読書
「虐待 コクウィットラム連邦警察署ファイル」    サンドラ・ラタン   集英社文庫
 THE FRAILTY OF FLESH          中井京子・訳

4歳の男児が撲殺体で発見された。
兄の証言から16歳の姉に容疑がかけられたが、両親は動揺も見せず、アシュリンとテイン両刑事はゆがんだ家族関係に疑問を抱く。
一方、クレイグ刑事は10年前の少女殺害事件を検証するうち、捜査に当たった自分の父親への疑念を持ち始める。
混沌とするふたつの事件は、やがて刑事たちの内面をも脅かしていく!
      <文庫本裏カバーより>
    



「放火」の続編。
アシュリン、クレイグ、テインの3人のことが分かっているので、スムーズに物語に入っていける。
今回も2つの事件が同時進行。
ひとつは過去の事件だが、現在の事件と子どもが関係しているという共通点。
リンクしている感じがあり、関係ない2つの事件だが、絡んでいる感じで物語の流れもスムーズ。
捜査する上での人間関係が興味深い。
イライラと落ち着かない人間関係が多いのだが。
そして、家族の関係も。
家族関係は、ひとつの閉鎖された空間。
何が起こっているか、外からは分からない。
今回の事件も、なぜそうなってしまったのか、どうしたらよかったのか。
もう少し突っ込んで書いて欲しかった気もする。
メインが、そこではないからだろうけれど。
アシュリンとクレイグの関係も、どうしてこんなにギクシャクするのだろう。
勝手に、相手の気持ちを読み過ぎなのだと思う。
もっと素直になればいいのにと、思ってしまう。
テインの過去も少し明らかになる。
そして、現代の事件の真相は分かるが、過去の事件は推測のまま。
それぞれの気持ちも、まだ落ち着かないまま終わってしまった。
3部作なので、早く続きが読みたい。

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