しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「夢果つる街」 トレヴェニアン 

2009年03月09日 | 読書
「夢果つる街」 トレヴェニアン      角川文庫
  The Main              北村太郎・訳

モントリオール市のザ・メインはさまざまな国籍を持つ移民たちが集まるスラム街。
市警の警部補、53歳のクロード・ラポワントは自分の担当する地域、ザ・メインを守って来た。
それは現在の警察の方針とは違ったやり方で、ラポワントは警官仲間からは尊敬されていたが、レネ部長とは対立していた。
路地で心臓を一突きにされ死んだ男の死体が発見される。
男も身元は分からなかった。
街を知り尽くしているラポワントは手掛かりを追っていく。




殺人事件を追う話しもあるが、これはクロード・ラポワントとザ・メインの街の人々の物語。
ゆっくりなテンポで周りの人たちとの係わりの中で、じっくりとラポワントという人物が分かっていく。
一見単純な毎日が続いていくようだが、ひとりひとり、それぞれの人生が垣間見えて複雑な思いがする。
人生は重い。
自分の全く知らない街に知らない人々が生きている。
そういう街や人々がいるんだと、見ている感じ。
とても雰囲気のある物語。
殺人事件から見えた人生もまた重い。
地味だが、ひとつの世界を知る物語。
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