しましましっぽ

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「燃える部屋」  マイクル・コナリー 

2018年10月16日 | 読書
「燃える部屋」  マイクル・コナリー  講談社文庫  上・下巻
 THE BURNING ROOM        古沢嘉通・訳

ロス市警未解決事件班の刑事、ヒエロニムス・”ハリー”・ボッシュ。
定年延長制度で返り咲いた刑事の仕事を、最後までまっとうしようとしていた。
しかし、上層部では財産削減の為、年長者を早期退職させようと、その機会を伺っている。
そんな微妙な状態で、ボッシュは10年前にマリアッチ広場で起きたビウエラ奏者オルランド・メルセドの銃撃事件を担当する。
メルセドは腹部の銃弾を受け、下半身不随になる。
銃弾は背骨で止まり、取り出せない状態だった。
そのメルセドが亡くなり、銃弾を取り出せた事による捜査の再開だった。
これには、メルセド事件を利用して、成功を収めた前市長で州知事選の出馬を目指す、アルマンド・ザイアスも解決を望まれていた。
ボッシュの相棒は新人のルシア(ルーシー)・ソトだった。
彼女はメキシコ系で、武装強盗との銃撃戦でヒロインに祭り上げられていた。
ボッシュはソトの優秀さを理解し、後継者として育てらそうだと考える。
ソトは7歳の時、預けられた保育施設が放火により7人が死亡した中での生き残りだった。
ソトは独自でその事件を調べようとしていた。
それを知ったボッシュは、その事件も自分たちで調べられるように、手を打つ。
2つの事件をボシュとソトは捜査して行く。








事件の捜査と言っても色々な手続きがあり、約束事がある。
そして書類仕事も多い。
そんな現実的な事も充分に折り込まれて、リアルな様相で進んで行く。
ボッシュのソトを育てようとする、言葉掛けも実際的。
娘のマデリンを育てている経験からか、何だかとても良い上司。
今までの一匹狼からは、ちょっと感じが違うかも。
事件の方も丁寧に、少しづつ進んで行くのが興味深い。
ただ、そこに政治的な事が関わっているからややこしい。
その他にも、いらいらさせられる事がある。
事件だけではなく、人間ドラマ的な所もあり盛沢山な感じ。
ソトとのコンビも良い感じだったのに。
次作が待ち遠しい。

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