しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「イタリアン・シューズ」 ヘニング・マンケル

2023年01月24日 | 読書
「イタリアン・シューズ」 ヘニング・マンケル  東京創元社  
 ITALIENSKA SKOR       柳沢由実子・訳

ひとり離れ小島に住む元医師フレドリック。
ある日彼のもとに、37年前に捨てた恋人ハリエットがやってくる。
治らぬ病に冒された彼女は、白夜の空の下、森のなかに広がる湖に連れていくという昔の約束を果たすよう求めに来たのだ。
かつての恋人の願いをかなえるべく、フレドリックは島をあとにする。
だが、その旅が彼の人生を思いがけない方向へと導いていく―。
    <単行本カバー見返し側より>






医療過誤により医師を辞め、孤独に生きていたブレドリック。
孤独のままでいいと思っていた人生が、1人の女性の出現によって変化が現れる。
自分からの行動ではなく、勝手に入って来た人物だから仕方ないと考えながら受け入れている。
現れた相手はかつて自分が100%悪く、捨てた相手なのだが。
それも、ほとんど悪かったとは考えていない。
どこまでも身勝手な感じがするが、それでも人との温もりは欲しかったのだろうか。
何だか不思議な物語。
ハリエットと行動を起こしたことで、新たな出会いがあり、過去に向かい合おうとする場面もある。
生活には大きな変化があったが、結局、フレドリックは変わらなかった気もする。
本人は巻き込まれただけと思っているのではないか。
上記の粗筋の後に、「孤独な男の贖罪と再生、そして希望の物語」とある。
人間は1人では寂しくて、生きられないと言う事なのか。

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